爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「おもいでエマノン」梶尾真治著

エマノンシリーズとしてファンの間では相当有名だと言うことですが、その最初になるのでしょうか。表題作が1979年のSFアドヴェンチャー誌掲載、ほかの関連作もそれから数年の間に書かれた物です。
エマノン」とは主人公の女性の名前ですが、NO NAME を逆さまに読んだだけということで、名前など無いという意味です。
現代のエマノンがこれまでの数億年の先祖の記憶をすべて受け継いでいると言う設定で、その代わりに子供を産んだらその子供に記憶を渡してしまうので、何も記憶が無くなってしまうということになります。
それから派生して、将来の記憶をすべて持っていると言う男が現れたり、エマノンとその男の意思の疎通の受け渡しをした男が廃人になったりと、盛りだくさんです。

まあ30年以上前の作品ですので、古さもありますが、大きな背景を持つ設定ですので、興味深く読めました。