爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ダルタニャン物語10 鉄仮面」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語第3部も佳境にさしかかります。失脚間近のフーケ財務卿を救うためにデルプレー(アラミス)はイエズス会管区長となり、莫大な資金を使えるようになるとともに、会員に対して絶大な力を使えるようになります。

その手段として使われるのは、実は国王ルイ14世は双子であり、もう一人は幼い頃から誰にも知られぬように隠されてきており、現在はバスチーユ監獄に幽閉されているということでした。これを知るものは母親のアンヌドートリッシュと、その昔の友人のシェブルーズ公爵夫人、そしてかつての公爵夫人の愛人であったアラミスだけになってしまっていました。
アラミスはフーケを目の敵にしているルイ14世に代えてバスチーユにいる双子の弟フィリップを連れ出して差し替えるという計画を立てます。バスチーユの管理者のベーズモーは昔の銃士でアラミスとは顔なじみですが、実はイエズス会の加盟者であり、管区長の命令は聞かなければならない立場でした。

アラミスはフーケの財産がほとんど枯渇しているのを承知で、フーケの別宅ヴォー・ル・ビコントに国王を招いて大園遊会を開かせます。そこでバスチーユから連れ出したフィリップとルイ14世を国王の寝室ですりかえてしまいます。
ルイ14世はバスチーユに戻され、フィリップの代わりに監獄に幽閉されてしまいます。