爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「”この街”に住んではいけない」中川寛子著

住居アドバイザーの中川さんが住まいを選ぶ際に注意する点について、特に女性を対象に解説したものです。
先祖代々の土地に住んでいる場合は仕方がありませんが、都会などで新たに家を探そうと言う機会は多いと思いますが、意外にしっかりと選ばずになんとなく決めてしまうことも多いようです。しかし、住んでみてから後悔することもままあるようですので、注意点は覚えておくことが必要でしょう。
立地条件では、防災、防犯、便利さ、快適さが忘れてはならない点です。
防災ではやはり地震と水害でしょう。地震では日本ではどこに居ても起こることは仕方がありませんが、地盤の良し悪しで相当揺れが違うようです。本書にも海抜20m以下もそれ以上も良くないと紹介してありますが、できれば堅い岩盤のところが良いのでしょうが、限られてますね。
そこで紹介されていることは、地名に「さんずい」が付くところは危ないということです。現在、我が家が立っているところの昔の「小字」名は”潮吹”だそうです。土地を購入した際に台帳を見て初めて知りました。まあこの辺一帯は全部干拓地だから仕方ないですが、地震には注意のようです。
水害も相当注意しなければいけないものです。この本の主たる対象は首都圏のようで、水害についてはあまり深くは触れていませんが、日本の多くの地方ではやはり大きな問題でしょう。阿蘇熊本市を巻き込んだ九州北部水害はまだ記憶に新しいところですが、熊本も白川のような大きな河川の危険はもちろん、小さな用水路のような川でも最近のゲリラ豪雨では一気にあふれて浸水することがありますので、敷地の高低も留意すべきでしょう。

防犯というのも気をつけなければいけない点で、これは本書が首都圏の女性をターゲットにしている以上、大きく扱われています。確かに街によって相当差がありますので、しっかりと判断する必要があり、ゴミ置き場、放置自転車、コンビ二周辺など、見方によっては貴重な情報が詰まっているそうで、参考にしてみれば良いかも知れません。

便利さと快適さは相反する条件かも知れませんが、どの程度で妥協するかと言うところでしょうか。我が家は熊本県南部の田舎町ですので、夜間はほとんど何の音も聞こえず、星もきれいに見えて環境は良いのですが、相当不便です。都会の駅のすぐそばなら便利なのは確かですが、環境は良いはずもありません。家を探すと言うのは難しいものです。

アパートの構造などについても相当細かいところまでアドバイスされています。家探しをしなければならない人にとってはかなり参考になる本かと思います。