爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

教育論「社会に役立つ教育とは」

これまでに述べてきたように、現在の学校教育は基礎知識・一般教養・学究的興味に偏った形であるのは事実のようですが、かと言って産業界にすぐに役立つような教育というのも実現するのは非常に難しそうだというように今は考えています。
この状況をどう変えるのか、そもそも変えなければいけないのか、学校の形から変えなければいけないのか、等々簡単には片付かないような論議のタネだらけといえます。

まず、「変えなければいけないのか」と言う点ですが、本当に現在の学校教育が一般教養だけなのかどうかという点も異論はあるでしょうが、一応そのような傾向が強いものと認めるとすると、そんなものを大学卒業で22歳と言う年齢までやっているのはまずいでしょうということが言えます。(まして、大学院でまでそんなことをしていたら何歳でモノになるのでしょう)そこで社会に出るとしても、社会人として働けるのはそれから数年後、早くて20台後半になってしまいます。まあ複雑になった社会ですので十分に教育を受けた上で実務に当たらなければ危ないということかもしれませんが、そういった準備段階の人材にも給料を払わなければいけません。そういったことを受け入れられる余裕が社会にあるのかどうかという点も問題になります。

とにかく、もう少し若い年齢で社会の一線で働けるためにはどうするか。低年齢で企業が採用し、企業内で訓練するか、あるいは学校を職業訓練化するかでしょうか。
学校で職業訓練をするという点については、以前に社会で必要とされる能力があまりにも多岐に亘るため難しいのではと書きました。代表的な能力、たとえば英語でのディベート力なんていうものは訓練できるかもしれませんが、その能力ですべての職業をカバーすることは不可能です。かといって、そのような種々の訓練コースを全部作って対応すると言う方向は、学生の志望、コースごとの訓練内容の適正化、採用する企業の問題など、とても上手くできるとは思えないものです。

結論にもなりませんが、社会が即戦力として求める人材を教育機関で作り出すということは、非常に無理がありとても上手くいかないだろうという予測が立てられるということにしておきます。