爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ダルタニャン物語9 三つの恋の物語」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語第3部、ブラジュロンヌ子爵も4巻目に入り、一応ここでの主人公のラウル・ド・ブラジュロンヌの許婚者のルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが偶然と国王ルイ14世の気まぐれから恋に落ちていく過程を中心に、宮廷の模様が語られていきます。
その一方で、財務卿フーケはルイ14世の後押しを受けているコルベールの陰謀で破滅へと進んでいきますが、それに一発逆転を掛けようとするフーケの盟友とも言うべきアラミスの計画の進行を徐々に明らかにしていきます。
ダルタニャンの活躍の場はごくわずか、剣を抜いての場面もごくわずかです。

ラウルとルイズは幼馴染でそのまま恋をして許婚となりますが、本当の意味での恋愛の経験のなかったルイズは宮廷に出ていろいろと翻弄され、あっという間に気が変わってしまいます。次巻以降ではラウルの破滅に向かう道筋が描かれますが、こんな女にいつまでも引きずられ、挙句の果てに自殺同然の死に方をするなど、最悪。という展開になります。

史実のヴァリエールは実際にルイ14世の愛人となり子供も何人も産みますが、やがて飽きられてしまいます。他の道はなかったのでしょうか。