爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「わが友マキアヴェッリ2」塩野七生著

マキアヴェッリの第2巻は「マキアヴェッリは何をしたか」という副題のもとに、フィレンツェの官僚として仕え始めた29歳の時から、政変により再びメディチ家の手に権力が渡ることにより解任され、さらにその後反メディチの陰謀加担の疑いで投獄されることになる43歳の時までを描いています。
大学も出ていないノンキャリアと言うべきマキアヴェッリは第2書記局書記官としてフィレンツェ共和国政庁に勤務しますが、有能であったので書記官としての職ばかりではなく外交にも携わることになります。しかし、あくまでも正使としてではなく副使としてであり、実質的に交渉にあたったとしても正式な調印はできないと言う立場だったようです。
しかし、ほとんど武力を持っていなかったフィレンツェの立場は弱く、フランスやスペイン・オーストリアなどが強力な武力を背景にイタリアに進出してくる時代にあたり相当な苦労をもって外交交渉にあたりある程度の業績を上げていたようで、共和国首脳部の信頼も厚くなっていきました。
一時、それまでの1年任期の大統領に代わって終生大統領としてピエロ・ソデリーニが就きますが、ソデリーニにも信頼を受け補佐官のような立場にもなります。

しかし、周辺の大国の衝突のあおりを食らって、フランスが撤退した隙を付け込まれ、スペイン軍とメディチ家の侵攻を受けてしまい、終身大統領ソデリーニは追放され、マキアヴェッリも解任されてしまいます。43歳で子供もまだ小さく、財産もほとんど無い身としてはどうしようもなく、郊外の別荘に引きこもりわずかな農作物を作るだけになってしまうと言うところで2巻終了です。