ダルタニャン物語第3部ブラジュロンヌ子爵の3巻目になります。
このあとの展開の関係で、バスチーユの獄吏ベーズモー氏の借入金の話や、アラミスがフランス王家の秘密を使ってイエズス会の管区長となる話も入ってきますが、話の主流はルイ14世の宮廷で、王弟妃のアンリエットやもう一人の主人公とも言えるルイズ・ド・ラ・ヴァリエールを巻き込んだ恋愛騒ぎの描写がほとんどになります。その意味ではちょっと読みづらい点はありますが、デュマ執筆時は新聞の連載小説であったそうなので、読者の興味の対象でもあったのかも知れません。
この巻ではダルタニャンばかりか、ラウル・ド・ブラジュロンヌもほとんど活躍の場はありません。ルイ14世の姦計でイギリス宮廷に使節として派遣されてしまいます。