大学等の教育体制をより実際の職業に対応するような職業訓練化することで、産業界の求める人材を養成するシステムとしていくことで効率化できる可能性はあるものといえます。
しかし、その問題点についても前回の教育論で少し触れました。
以前に北欧の教育現状を記した本を読んだのですが、職業教育の分野においてはその学校を出ることがその職業に就くための必須条件となるように、卒業認定と就業資格を連携させていると言うものもあるようです。
日本で言えば、医師と薬剤師はその国家試験受験のための資格が対象となる学校の必要単位を取ることとなっていますので、そのようなシステムと言うイメージですが、それをその他の職業にも広げるものです。
簡単な例で言えば(実例ではありませんが)ビル清掃管理士というような資格がなければビル清掃の仕事につけないようにしておいて、しかもその資格は対象となる学校を卒業しなければ取れないようにしておくと言うものでしょう。
これを様々な職業に広げていけば職業訓練と学校教育と就職場所の確保と言うことは相互に関連付けられることになります。
しかし、このようなシステム化が社会の隅々まで出来上がってしまうと、かえって社会の発展には対応できず、形骸化してしまいどんどんと非効率化してしまいそうです。昔の共産主義国家のようなものでしょう。
どうもこういった産業社会のための人材育成のための教育というものを考えていると、そのような非効率なシステムに陥ってしまうのではないかという危惧があります。一部の私的な専門学校ではなんでもできますが、やはり公的な学校教育には適用が難しいように思います。