爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「わが友マキアヴェッリ」塩野七生著

君主論マキアヴェッリと言う名前だけは広く知られているはずですが、その実体についてはほとんど知られていないであろう、マキアヴェッリについて、3部に亘り書かれたものです。
これは第1巻で、マキアヴェッリは何を見たか、第2巻は何をしたか、第3巻は何を考えたかとなっており、第1巻では主にマキアヴェッリの前半生までのフィレンツェの状況について書かれています。
15世紀のイタリアは小国を併合してきた国が合い争うと言う時代になってきました。有力なヴェネツィア、ミラノ、ローマ法王などと共にフィレンツェも厳しい闘争にさらされます。その中で、フィレンツェメディチ家とそれに対抗するものたちの国内での内ゲバがひどく、なかなかまとまれない状況で推移していきます。
メディチ家もロレンツォの代には大きく勢力を伸ばしイタリアだけでなく国外へも影響力を持ちますが、その次のピエロの代になるとすぐに凋落しフィレンツェからすべて追放されてしまいます。このあたりがちょうどマキアヴェッリが青年となった頃にあたります。
その後まったく政治が安定しない中で、マキアヴェッリ官吏としてフィレンツェ政府に仕えます。
その後のことは2巻になるようです。