爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「宗教聖典を乱読する」釈徹宗著

浄土真宗の住職にして大学教授その他も兼ねて活躍している釈さんが、仏教だけでなく各宗教の聖典を解説したものです。
取り上げた宗教は、ヒンドゥー教、神道ユダヤ教キリスト教イスラム教、仏教です。
各宗教それぞれに色々な特徴はありますが、キリスト教はある程度聞き知ってはいても他の宗教は名前だけという人が多いのではないのでしょうか。私もヒンドゥー教の中身はほとんど知りませんでした。
また、一つの宗教と言えどその中に多くの宗派があり、中には激しく対立しているものもあります。それもある程度解説してあり、入門編としては的確かもしれません。

キリスト教イスラム教ユダヤ教と言う一神教と、神道、仏教、ヒンドゥー教という多神教は神と言う概念自体に相当大きな隔たりがあります。全知全能の神と言うものを信じる宗教では他の原理は必要なく、因果関係というものも無いわけですが、因果応報は仏教では重要な概念です。そのために仏教では哲学的な要素が非常に強くなっているそうです。それを見ると自分自身決して仏教徒と言えるようなものではないと感じていますが、やはり基本的には仏教が一番共感できるものを持つようです。