爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「海の都の物語5」塩野七生著

ヴェネツィアの歴史も5巻に入り、衰退の兆候がでてきました。
スペインやポルトガルという海運では新興国が、アラビアと地中海を経由する従来の交易ルート以外のルートを開発するということになり、ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ南端をめぐるインド航路を発見します。その知らせはヴェネツィアにもすぐに入り、ニュースとして衝撃を与えたようです。
しかし、それですぐにそちらに重点が移ったということではないようで、またしばらくはヴェネツィアが勢力を回復するようになったようです。
しかし、その後トルコ、スペイン、フランスなどの大国が強力な王を得て力を付けていくようになってきます。
そうなるとヴェネツィアは人口が少ないという圧倒的な弱点のために徐々に力を失っていくことになります。
交易だけではやっていけなくなり、織物工業が国内で発達したこともかえって衰退の原因になったのかもしれません。