爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ダルタニャン物語2妖婦ミレディーの秘密」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語2、三銃士の部でも2番目が妖婦ミレディーの秘密です。新教徒の反乱でラロシェル包囲戦に国王自ら臨みますがなかなか決着がつかず、イギリスはバッキンガム公爵が大船団を率いて参戦する構えを見せます。それを阻止するために枢機官はミレディーを送り込み、バッキンガムを暗殺しようとするのですが、それを察知した銃士たちは阻止しようと行動を起こします。しかし、一度は捕らえられたミレディーも監視の士官を篭絡し公爵を暗殺させてフランスに脱出します。
そこでたまたま枢機官の手を逃れたコンスタンスとべチューヌの修道院で出会い、救いに来たダルタニャンの到着直前に毒殺してしまいます。
そしてそこから逃れ隠れていたアルマンティエールでダルタニャンと三銃士、そしてイギリスから追ってきたウィンター男爵らに捕らえられ、裁きを受けて死刑とされます。
枢機官に捕らえられたダルタニャンは最後にこの行動は枢機官の許可証を持っていると言って差し出し、枢機官と和解することになります。

基本的なあらすじを作ったオーギュスト・マケが後日にこの原作者は自分だと言って原稿を発表した際に、出した部分が最後のミレディー処刑のところだったそうですが、文章が稚拙で笑いものになっただけだそうです。この訳書でも緊張感あふれるすばらしい文章だと見て取れます。

それにしても、これまではあまり舞台となるところがどこかと言うことについては意識していませんでしたが、(地図がたいしたものではなく見ても分からなかったこともあります)ネット上の地図で世界中どこでも極めて詳細に見ることができるようになりました。ラロシェルが西部のボルドーの北側ということは知りませんでした。なんとなくイギリスの近くかと言うことでモンサンミシェルの方面かと言う感覚で居ましたが、だいぶ外れです。ストリートビューで見ると、南仏に近いイメージで、白壁の建築物が印象的な町が見えました。
べチューヌ、アルマンティエールは文中にも国境に近いとありますので、ベルギーに近いところかとは思っていましたが、その通りでした。最後の処刑の場面のリス川というのも実在の場所で、写真で見るとのどかな田舎です。
これまで数十年間自分の頭の中で作って来た場所のイメージと、実際の写真と、少しずれていますが、まあ面白い感覚ではあります。