大学の頃に購入したダルタニャン物語の再読です。ダルタニャン物語とは良く知られた三銃士のほかにその続編として「二十年後」と「鉄仮面」を含む文庫本全11巻のものですが、完訳版はこの鈴木力衛訳のもののみです。
子供の頃に他の訳本の子供向け文学全集のものを読んで以来、ダルタニャンにあこがれていたせいか、大学に入ってこの本を見つけた時は喜んで結局全巻を買って読むことになりました。
ところが、調べてみるとこの完訳版はその後絶版となり、それから後には新訳はされていなかったようです。最近になり復刻版が出されたとのことですが、まさに貴重な訳本と言えるものでしょう。
絶版とされたのはどうやらあちこちに差別用語が使われているためのようです。しかし、どうも差別意識に疎いせいか、どれがそれなのやらよく判りません。まあそん位いいんじゃないと思うのがいけないのでしょう。
内容については良く知られている部分であると思いますが、ガスコーニュの貧乏貴族の息子ダルタニャンがパリに出てきて三銃士と知り合いになり、リシュリュー枢機官を相手に戦うと言うものです。第1巻はその中でも王妃アンヌ・ドートリッシュを落としいれようとした枢機官のたくらみを阻止するところまでです。
何度も読んでいる本で、あらすじは良く分かっているつもりですが、細部はまた再発見できることが多いようです。