爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「欲望の資本主義 ルールが変わる時」丸山俊一(NHK”欲望の資本主義”取材班)著

NHKの「欲望の資本主義」という番組の取材として、ノーベル賞受賞者のコロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ、チェコ出身の異色の経済思想家であるトーマス・セドラチェク、元ゴールドマン・サックス社員の投資家スコット・スタンフォードを迎えて、…

「酸素のはなし 生物を育んできた気体の謎」三村芳和著

酸素は大気中に21%含まれておりそれは簡単に変わるものではないような気になってしまいますが、地球の成り立ちを考えるとそれはほんの偶然にすぎなかったようです。 本業はお医者さんですが、山登り好きがこうじて酸素について考えることも多くなってしま…

「日本の年金」駒村康平著

経済学者ですが、社会保障や年金が専門で、政府の顧問や有識者検討会の委員も勤められたという著者が、年金問題について詳細に説明されていると言う本です。 年金というものは、誰もが大きく関わるはずであるのに、あまりまともに考えたことがないという、困…

「あやしい健康法」竹内薫、徳永太、藤井かおり著

健康法については様々な俗説が出回っていますが、それらについて有名なサイエンスライターの竹内さんが、医師の徳永さん、ヨガインストラクターの藤井さんとともに、指摘しています。 それぞれの専門分野で健康法を取り上げて評し、それについてあとの2人が…

「男と女のトラブル相談室」大渕愛子著

テレビ出演も多い弁護士の大渕愛子さんが、特に男女関係のトラブルについて、結婚、離婚、ストーカー、DV、セクハラといった事例と対処法を書いています。 活字も大きく言葉も簡単なものを選んでいるようで、あまり活字慣れしていない人にも読んでもらいたい…

「古文書はいかに歴史を描くのか」白水智著

著者は歴史学の中でも各地に残る古文書をフィールドワークで探し出し解析し各地域の歴史を新たに再発見していくという研究方法を取っている歴史学者です。 この本では各地の旧家の蔵から古文書を発見してきた実話や、その詳細な方法、また記録のまとめ方など…

「朝鮮王朝”儀軌” 百年の流転」NHK取材班編著

2010年に当時の菅総理大臣が韓国に日本にある「朝鮮王朝儀軌」を引き渡すと突然のように発表したことは社会に驚きをもって迎えられました。 それがどういうものかという認識もほとんどの人が持っていなかったはずです。 実はそれは韓国国内でも同様の状況だ…

「日本飛び出しくん図鑑」関将著

「飛び出しくん」とは、狭い通学路など子供が飛び出してくることがありそうなところに、ドライバーに注意を喚起するために設置されているもので、単なる看板様式のものではなく、人形(二次元・三次元)となっているものです。 一般的には「飛び出し人形」と…

「サンドイッチの歴史」ビー・ウィルソン著

よく知られているサンドイッチの起源と言われているものは、サンドイッチ伯爵がギャンブル好きで夜通しカードゲームにのめり込み、食事をする間もないので片手で食べられるようにパン2枚に肉を挟んで持ってこさせたというものです。 この通説も含めサンドイ…

「日本は戦争をするのか」半田滋著

安倍内閣は支持しない(支持率が不支持率を下回る)けれど、投票は自民党という、とても信じられない投票行動で、自民党圧勝という結果に終わった衆議院選挙ですが、その安倍内閣の目指す安全保障(なにが「安全」やら、「暗然」としていまいます)がどのよ…

「宗教聖典を乱読する」釈徹宗著

著者の釈さんは浄土真宗如来寺住職であり、さらに大学教授も勤められ、認知症患者支援のNPOも運営されているという方です。 この本は、関西地方で開かれたカルチャースクールで講演された内容に加筆された宗教全般について広く知識を得ることができるといっ…

「戯作者銘々伝」井上ひさし著

戯作者とは、江戸時代後期に流行した洒落本、人情本などの通俗小説の作者を指します。 為永春水、山東京伝、十返舎一九といった人々が有名ですが、他にも多くの人々が執筆していたようです。 この本は、そういった戯作を書いていた人々の周辺を短編小説とし…

「古道 歴史の道百選」森田敏隆著

平成8年に文化庁によって、「歴史の道百選」の第一次選定が行われ、78箇所が選ばれました。 本書はその78にそれ以外の9箇所を加えた87箇所の古道を写真家の森田さんが撮影した写真で紹介しています。 取り上げられている道は、東海道や中山道など有名な街道…

「倭人への道 人骨の謎を追って」中橋孝博著

著者は人骨を専門とする考古学者ということです。 したがって、DNA分析が主流の現代の進化学界とは少々捉え方が異なっているようで、新人(ホモ・サピエンス)のアフリカ起源説がほとんど主流となっているのですが、著者はネアンデルタール人と新人との混血…

「現代の地政学」佐藤優著

非常に印象的な活動を続けられている佐藤優さんが、池袋コミュニティ・カレッジというところで地政学というものについて講義をした、その記録をまとめています。 地政学というものは、最近は非常に注目されているようで、「地政学リスク」といった言葉は一人…

「ゲノム編集を問う 作物からヒトまで」石井哲也著

「遺伝子組み換え」という技術は実用への応用が広がり農産物の種類によってはそのほとんどが組み換えによる種子から作られているという状況になっていますが、最近ではそれをさらに高度にしたような「ゲノム編集」という技術が急速に発達しようとしています…

「日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で」水村美苗著

「グローバル化のために幼児に英語教育」などという議論を聞くと、「それじゃ日本人が小説や詩を英語で書くようになるのか」と反発を覚えていましたが、そういった問題について非常に優れた分析を展開されている本を発見しました。 発見したといっても、私が…

「〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人」武田雅哉著

〈鬼子〉には「グイヅ」とフリガナが振ってあります。 中国人がかつて日本との戦争の頃に日本人を指して呼んでいた言葉です。 鬼子とは人間とは見なされないものです。 日本でも「鬼畜米英」などと言っていたものです。 戦国時代のように相手も同類と知って…

「修己治人の学『大学』を読む」守屋洋著

中国の古典として四書五経というものがあるというのは知ってはいても、またその四書の書名が大学・中庸・論語・孟子であることを知ってはいても、その内容まではまったく分からないままでした。 その一つ「大学」を読むという本を中国文学者の守屋さんが書き…

「羽生必敗の法則」田中寅彦著

現在の将棋界では、藤井聡太四段が中学生棋士として目を見張る活躍をして注目を集めていますが、およそ30年ほど前には羽生善治(現在王座棋聖)がやはり中学生でプロ棋士となり大活躍をしました。 当時は今ほど騒がれもしませんでしたが、その実力は圧倒的…

「岩石から読み取る 地球の自叙伝」マーシャ・ビョーネルード著

著者は地質学者であり、岩石の研究をされてきた方ということです。 地球科学という分野では地球誕生から現在までの地球の経歴というものをダイナミックに推論されていますが、それらの根拠となるものは一つ一つの岩石の詳細な検討から生まれてきたものという…

「核と日本人 ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ」山本明宏著

核というものに日本人が触れたのはようやく原爆により広島と長崎を破壊されてからのことでした。 その後、様々な動きがあり現在に至っているわけですが、「核」というものに対する日本人の認識というものは一定であったわけではありません。 本書まえがきに…

「なぜ少数派に政治が動かされるのか? 多数決民主主義の幻想」平智之著

著者は様々な職業を経験した後、民主党政権奪取の時に衆議院議員となり政治の運営というものを目にしました。 禁原発という考え方を発表したものの成らず、その後は政治から離れてしまったそうです。 政権内に居た頃に感じたことが、ごく一部の人々の声が政…

「人名用漢字の戦後史」円満字二郎著

戦後の国語改革の中で、漢字の使用制限と言う面では漢字撤廃を目指す人たちが主導して実施したために当用漢字制定は拙速で不合理なものであったということを説いた本を読んだことがありました。 sohujojo.hatenablog.com 漢字の問題としては、当用漢字以外に…

「ヒットの教科書 プロジェクトを成功させた”挑戦者”に学ぶ」奥井真紀子著

「日経トレンディ」という月刊誌で連載されていた「ヒットの軌跡」というヒット商品開発の話を18編まとめて1冊の本にしたというものです。 ヒット商品なるものには、中には単に上手いCMで売ったとか言うものもあるようですが、ここで取り上げられているの…

「歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる」遠藤雅司著

歴史の中の人たちが何をどのように食べていたのか。日本の過去の人たちのこともよく分かりませんが、外国の人々のことになると歴史上の活躍が分かっていても食生活は想像ができません。 そこで、歴史料理研究家という遠藤さんが様々な資料を元に料理を再現し…

「遺伝子改造社会 あなたはどうする」池田清彦、金森修著

ゲノム編集と言うことがここ数年急激に発展しているようですが、この本は2001年出版でありながらこういった事態を予測しそうなったらどうなるかということを取り上げています。 池田さんは有名な?生物学者で、金森さんは哲学出身の科学史専攻の方です。…

「行動経済学 感情に揺れる経済心理」依田高典著

行動経済学といえば、以前に池田新介さんの「双曲割引」に関する本を読みました。 sohujojo.hatenablog.com経済学というよりは、心理学的な要素が強いという印象を持ちました。 今回読んだ依田さんの本は、その名も「行動経済学」。この分野の概観を示すもの…

「ふたつの故宮博物院」野嶋剛著

故宮といえば中国の昔の王朝の宮殿ということですが、故宮博物院とは清王朝の紫禁城に旧王朝の文物を収めたところを言います。 しかし、現在は故宮博物院といえば台湾の台北の「国立故宮博物院」、中国北京の「故宮博物院」の2つが存在します。 これには、…

「歴史のなかの大地動乱 奈良・平安の地震と天皇」保立道久著

最近も日本列島では各地で地震が相次ぎ、また火山噴火も起きていますが、歴史の中では今よりもさらに地震や火山噴火が連続して、しかも大規模に起きていた時代がありました。 奈良時代から平安時代にかけての頃ですが、ちょうどその当時は天皇家や藤原氏をは…