爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「金属疲労のおはなし」西島敏著

飛行機や車の大事故、発電所の事故などの時によく聞く「金属疲労」 針金などを何度も曲げたり伸ばしたりしていると、そのうちにポキっと折れるというのと同じ現象だということは聞いていて、そんなものかと納得してしまいますが、実際はかなり奥の深い問題の…

「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」森功著

いまだに真相が明らかにならず、次々と新資料が表に出て来る安倍総理周辺の疑惑ですが、その中でも一番大きなものは加計学園に関するものでしょう。 森友学園の問題が先に表沙汰になり、理事長の人柄もあり話題は大きく取り上げられましたが、国有地の値引き…

「知れば知るほどおもしろい 琉球王朝のすべて」喜納大作、上里隆史著

現在は沖縄県となっていますが、かつては琉球王国という独立国でした。 中国の王朝に冊封され、東南アジアから朝鮮まで広く交易を行い栄えていたのですが、17世紀には薩摩の島津氏の支配を受け、明治維新後の日本に併合されて王朝は滅びました。 部分的に…

「知識ゼロからの 浮世絵入門」稲垣進一著

浮世絵は世界的にも人気が高く、多くのヨーロッパ近世の画家に影響を与えたということは知ってはいても、実際にどのようなものか知識があるという日本人はあまり居ないでしょう。 中学高校の美術の授業でも、ゴッホやモネは教えてもあまり浮世絵の画家のこと…

「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」NHKスペシャル取材班

東日本大震災では犠牲者のほとんどは津波により亡くなりました。 しかし、地震発生から津波到達までは1時間程度の時間の余裕があり、避難できたにもかかわらず効果的な避難をしなかったということが分かってきています。 宮城県名取市の閖上地区も被災地の…

「高齢ドライバーの安全心理学」松浦常夫著

高齢ドライバーの事故のニュースが毎日のようにテレビ新聞で報道され、年寄りは運転するなと言わんばかりの風潮のようにも感じますが、実際のところの高齢者の運転はどの程度危険なのか、本当に事故を起こしやすいのか、またそうならどうすればよいのかとい…

「Twitter で英語をつぶやいてみる」石原真弓著

ネット上で140字以内(日本語の場合)で「つぶやき」を書くTwitter(ツイッター)というものがあり、多くの人に利用されていますが、これが英語の能力向上にかなり役に立つのではというのが、通訳や英語教授をされている著者の石原さんが気がついたことで…

「四コマ漫画 北斎から”萌え”まで」清水勲著

四コマ漫画といえば新聞の社会面の隅に載っていて、思わず見てしまうと言うイメージですが、その歴史は古く江戸時代にはその芽生えが見えるようです。 何度かのブームを起こしながら今まで続いていますが、現在でも様々に形を変えながら活躍しているようです…

「星新一 1001話をつくった人」最相葉月著

星新一という名前は今でも多くの人の記憶に残っているでしょう。 日本でのSF小説の先陣を切った人。ショートショートという分野を確立した人。 そして亡くなってからすでに20年以上経っているということが信じられないほど存在感の大きい人と言えます。(…

「強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論」吉村仁著

「素数ゼミ」という生物を研究したことで知られる吉村さんですが、昆虫学が専門ではなく生物の進化というものを研究しています。 ダーウィンの進化論は生存競争を勝ち残る適者が進化の主役であるとしていますが、それは間違いであるとしています。 それより…

「大人の食育百話」橋本直樹著

食育ということが強く言われ、家庭や学校でも食育を考えた教育というものに取り組まれています。 しかし、その担い手である親や教師、そして専門家たるべき栄養士の人々も、基礎的な知識が無い場合が多く、あやふやな情報などに振り回されることも多いようで…

「聖書でわかる英語表現」石黒マリーローズ著

アメリカやヨーロッパでは現代の新聞やテレビニュースなどでも、聖書のフレーズを使うことが多いようです。 そこには、元の聖書での意味を背景にした表現がなされており、それを知らずに字面だけで訳しているとかなりニュアンスが異なるものになりかねません…

「百済の王統と日本の古代」兼川晋著

かなり時代が下っても九州に王朝が存在したという、九州王朝説は正統派学界からはほとんど無視されているような状況ですが、民間の古代史愛好家が集う九州古代史の会などで活動は続けられているようで、本書著者の兼川さんも活躍されています。 本書の冒頭に…

「マッコリの正体」ホ・シミョン著

韓国の伝統的濁酒、マッコリは最近では日本でも女性を中心に人気が上がり、よく飲まれているようです。 本書は、現在韓国のソウルで「マッコリ学校」という、マッコリについて様々な面から教えてくれる学校の校長を務めているという、ホ・シミョンさんが書か…

「漢字の〈うんちく〉」岩男忠幸著

漢字は元々は象形文字から変化してできたのですが、その後はそういった文字を組み合わせて意味の合った文字を新たに作られるようになりました。 そのような組み合わせ文字が現在の漢字の9割を占めているそうです。 この本は、そういった元の文字構成成分の意…

「くらべる地図帳」浅井建爾著

地理が関係する問題の理解には、地図に図示したほうが分かりやすいということがよくあります。 この本は地理学者という著者が、そういった例をたくさん集めて示し、地図というものの有効性を分かってもらおうという趣旨で書かれたようです。 その最初のペー…

「日本人の源流 核DNA解析でたどる」斎藤成也著

国立遺伝学研究所の斎藤さんの本はこれまでにも2冊読んでいますが、最新のDNA解析技術を用いた検討で日本人の遺伝的構造を探るという、最新の情報を基に一般向けに分かりやすい内容となっています。 この本も2017年10月の出版というもので、最近急激に進歩し…

「J.G.バラード短編全集5 近未来の神話」J.G.バラード著 柳下毅一郎監修

ニューウェーブSFを主導したと言われるJ.G.バラード(1930-2009)の短編作品をすべて収めた短編全集が、東京創元社から刊行されました。 バラードの短編は1956年から1996年まで、98篇が発表されていますがそれを5冊に収めています。 本書はその第5巻、1977…

「侠骨記」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本は以前は読んでいましたが、このところ少しご無沙汰していました。 久しぶりに手に取ったこの本は、1991年に著者が「夏姫春秋」で直木賞を受賞した頃に出版された初期の作品群の一冊です。 著者の作品には、中国古代を扱ったもの、著者故郷の…

「ITリスクの考え方」佐々木良一著

ITのリスク、それは益々大きくなる一方のようです。 様々な方面にリスクが有り、外部からの攻撃・機器やソフト自体の問題・等々すでに現実化したものもあり、また大きな影響が考えられるものもありそうです。 これはすでに10年ほど前の本ですが、著者は日立…

「もう一つの鎖国 日本は世界で孤立する」カレル・ヴァン・ウォルフレン著

オランダ人の国際政治学者でジャーナリストと言うウォルフレンさんですが、30年以上日本の政治状況を見てこられています。 そのウォルフレンさんが2006年に出された本ですが、ちょうど時は小泉政治のところで、アメリカに従うあまりにアジア各国の神経を逆な…

「天然発酵の世界」サンダー・E・キャッツ著

「天然」という言葉は使い方の難しいものですが、この本の場合の「天然発酵」とはどうやらスターターとしての培養微生物をも加えることのないような、自然のままの発酵ということを指しているようです。 私は、何度もこのブログで書いているように、以前は発…

「おい、マジか。池上彰の〈ニュースを疑え!〉」池上彰著

池上さんらしからぬ題名ですが、冒頭にその言い訳が書いてあります。 なんとも下品な表現で本来は私の趣味に合わないのですが、週刊文春のコラムで思わず使ったところ、書籍にするに当たって編集者がぜひこのタイトルに入れましょうと主張、つい受け入れてし…

「子どものスマホ・トラブル対応ガイド」安川雅史著

中高生にまでスマホが広く普及してくるにつれ、スマホ絡みの犯罪や事件などの被害者となる子どもも増えています。 また、スマホいじめなどということも広がると、今度は加害者となってしまうこともありそうです。 親や教師など、子どもに接する大人たちがス…

「コドモダマシ ほろ苦教育劇場」パオロ・マッツァリーノ著

自称イタリア人で、日本文化研究家、戯作者というパオロさんが、父と子の関係にまつわる問題をさまざまな方向から取り上げてちょっとひねった文章にしてしまうというもので、40の小話からなっていますが、元々は数篇をいくつかの雑誌に掲載したもので、それ…

「技術者のための経営学」大坪檀著

非常に古い本で、私が買ったのもおそらく1983年なのですが、この本の初版発行は1966年ということです。実に半世紀前。 著者の大坪さんは経営学部出身ですが、メーカー勤務を経てアメリカ留学という経歴で、技術と経営という問題も早くから取り組んでこられた…

「〈歳出の無駄〉の研究」井堀利宏著

国の財政は危険な状態であるという認識は誰にでもあるのでしょうが、それを何とかしようとして増税を持ち出すと必ず「その前に国の歳出の無駄をはぶけ」という主張が出てきます。 確かに、国の支出について毎年調査を続けている会計検査院の発表でも数十億と…

「古代国家はいつ成立したか」都出比呂志著

著者の都出さんは、考古学者で「前方後円墳体制論」という初期国家論を提唱されている方ということです。 どうも古墳の形式の伝播を見ていけば当時の体制が理解できるという主張のようですが、それを調べていると本書の記載について強烈に批判してあるサイト…

「世界はすでに破綻しているのか?」高城剛著

高城さんの本は前にも一度読んでみて、そのあまりにもアクが強いのにあてられてしまったのですが、懲りずにまた読んでみました。 「グレーな本」高城剛著 - 爽風上々のブログ 今回の本はデフォルトと言う国家財政破綻(債務不履行)の状態に陥ったらどうなる…

「ダ・ヴィンチ絵画の謎」斎藤泰弘著

ルネサンス絵画の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は、その最高傑作のモナリザを始めとして多くの謎を秘めています。 それについて数多くの研究が為され、様々な学説も発表されています。 そういったことについて、ダ・ヴィンチ研究の専門家である著者が…