爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

FOOCOM.NET松永編集長に、受験大手Z会から取材

FOOCOM.NETの松永編集長に、通信教育の㈱Z会から取材が来たということが書かれていました。 www.foocom.net Z会といえば、40年以上前の私の大学受験当時にもその名は有名なもので、一時入会した覚えがあり、懐かしいものです。 そのZ会が会員向けの情報誌…

「こうして、世界は終わる」ナオミ・オレスケス、エリック・コンウェイ著

最初にお断りしておきます。 いつもの図書館でパラパラと内容を見て借りてきた本ですが、読み出して唖然とするものでした。 社会科学の本棚から選んだのですが、中味はSF、近未来から21世紀を振り返るという体裁のものです。それもあまり出来の良くない。 …

「富士山噴火の歴史 万葉集から現代まで」都司嘉宣著

著者は元東大地震研の研究者で、津波がご専門ということですので、テレビでもお顔は拝見したことがあります。 そのかたわら、古い時代の地震や火山噴火の記録も古文書の中から拾い上げるということをなさっており、本書はその富士山噴火に関するものを詳細に…

「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著

現在の地球は生命に溢れていますが、それが奇跡的な偶然なのか物質の性質として条件が揃えば必ず生命になるものかは確実なことはわかりません。 しかし、もしも奇跡であれば宇宙には他には生命が存在する可能性は非常に低いことになりますし、必然であれば(…

「職業としての科学」佐藤文隆著

職業としての科学 (岩波新書) 作者: 佐藤文隆 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/01/21 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (13件) を見る 著者は理論物理学が専門の京都大学名誉教授の方です。 現在では「科学」を職業として選び生活…

中国漁船を抑えるためには 勝川俊雄さんのご意見

以前にご著書を拝見して以来、 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 公式サイトも参考にさせて頂いている三重大学の勝川さんが中国漁船の問題に関して面白いことを書いて居られます。 katukawa.com 日本ではこれまで日本漁船がさんざん乱…

「人類のやっかいな遺産 遺伝子、人種、進化の歴史」ニコラス・ウェイド著

白人、黒人、黄色人種(なぜか”黃人”とは言わない)といった「人種」には見た目の違いばかりでなく能力の差があるという議論がかつては数多くされていたのですが、最近では人種差別と見なされできるだけそれを避けるような風潮になっているようです。 しかし…

「日本語の科学が世界を変える」松尾義之著

2008年にノーベル物理学賞を授賞した益川敏英博士はその受賞記念講演を英語ではなく日本語で行いました。もちろん、益川さんも英語の読み書きというものは支障なく使いこなすことができるはずですが、しゃべる方はそこまで得意ではないということです。 …

「飛行機はなぜ落ちるか 設計者から見た航空システムの安全性」遠藤浩著

飛行機の事故で死ぬ確率は自動車よりもはるかに低いという話ですが、この本を見るとあまりにも多くの事故があったということが分かり、あまりいい気持ちはしません。 特に、これから飛行機で旅行をしようという時にはそうでしょう。 飛行機が落ちるというこ…

”ソルトウォーターバッシング”とかいう変なダイエット法についてNATROMさんが警告

医学関係の変な動きを見張るには的確な、「NATROMの日記」で内科医のNATROMさんが「ソルトウォーターバッシング」とか言うダイエット法を取り上げています。 NATROMの日記(2016年9月20日記事) 1リットルの生理食塩水を朝起きてすぐに20分間で飲むというも…

「”健康食品”のことがよくわかる本」畝山智香子著

国立医薬品食品衛生研究所の室長さんで、「食品安全blog」という有名なサイトをほぼ毎日更新されているという、畝山さんが健康食品に関する本を出版されたという話はかなり以前に聞きましたし、他のところで多数の書評が書かれているのを見て早く読みたいも…

「パンデミックとたたかう」押谷仁、瀬名秀明著

2009年4月に北米のアメリカ、メキシコで新型インフルエンザが流行しました。 これが21世紀初めてのインフルエンザ・パンデミック(世界的流行)であったのですが、その感染力、毒性は幸いにも弱いものであり、多くの死者が出るという事態にはならずに…

「数学記号を読む辞典」瀬山士郎著

数学(小学校では算数)は義務教育から高校大学と多くの時間をかけて学習していますが、分からない、嫌いといった反応を示す人が多いのではないかと思います。 数学には数式や記号といった表記があることがその感情を増しているのではということで、数学教育…

FOOCOM.NET専門家コラム 平川あずささんの”若い女性の「痩せ方」にモラルを”

管理栄養士にして、食生活ジャーナリストの平川あずささんが書いているのが、「若い女性の痩せ方にモラルを」という記事です。 www.foocom.net 早稲田大学教授で産婦人科医の福岡秀興氏によれば、出生時体重が2500g未満の低体重児が増えており、その原因は…

IARCより、「甲状腺がんの患者増加は過剰診断」という研究結果発表

いつも参考にさせて頂いている、畝山智香子さんの「食品安全情報blog」8月19日の記事に表題の紹介がありました。 食品安全情報blog IARCといえば、最近も赤身の肉が発がん性ありなどという研究結果を発表し物議を醸している機関ですが、WHO(世界保健機関…

「研究不正 科学者の捏造・改竄・盗用」黒木登志夫著

著者の黒木先生は長年ガン細胞の基礎研究に携わってきた方ですが、本書中にも記載されているように不正な研究というものは医学分野に非常に多いという関係もあり、研究不正を防ぐということが必要ということを強く感じてこの本を書かれたそうです。 2014…

「南海トラフ地震」山岡耕春著

かつては東海地震ばかりが危険視されその対策が重視されてきましたが、それの引き金となる南海トラフでの地震発生のメカニズムが研究されていくにつれ、東海から東南海、南海まで、すなわち南海トラフ全体が震源となる巨大地震発生の可能性もあるということ…

「内陸都市はなぜ暑いか」福岡義高、中川清隆編著

真夏の暑さの中、毎日「猛暑日」という言葉を聞かないことがないようなこの頃ですが、特に暑い地域というのはたいてい決まっているようで、埼玉県や群馬県、静岡県岐阜県といったところが高温を記録したとニュースになります。 安易なニュースなどではお決ま…

「先端巨大科学で探る地球」金田義行、佐藤哲也、巽好幸、鳥海光弘著

地球の内部に関する学問、地球科学は地震や火山の災害に大きく関わることから研究も注目されますが、実際はまだ地底の実物に触れたということはありません。 時々起こる火山の噴出物や地震の振動の伝わり方を見て解析を進めてきました。 しかし、現在では様…

「生物学の”ウソ”と”ホント”」池田清彦著

池田さんはご専門が生物学なんですが、その他の方面のご活躍の方が有名になっています。 それでも専門分野に関係して一般向けの著書もしっかりと出版されており、本書もその一つと言えるでしょう。 この本の内容は、夕刊フジに連載されていた「池田教授の今…

「現代思想2016年6月臨時増刊 微生物の世界」青土社発行

青土社が発行している雑誌「現代思想」の6月増刊号ですが、テーマが「微生物の世界」ということですので、購入してみました。 現代思想の最近のテーマを見ても科学分野のものが結構多いようです。思想というものとは違うかとも思ったのですが、現代では不可…

テスラの死亡事故は太陽のせいではない 日経BP記事で鶴原吉郎さんの解説が分かりやすい

今年5月7日に、アメリカのテスラ・モーターズ社の「モデルS」という車が運転支援システム「オートパイロット」の動作中にトレーラーに衝突して運転者が死亡するという事故が起きました。 それについて、自動車ジャーナリストの鶴原吉郎さんが日経BPに詳しい…

一見科学的 テレビ番組(この差ってなんですか?)のダイエット効果検証で変な結果

日曜夜になんとなくテレビを見ていたら、TBS系で「この差って何ですか」という番組をやっていまして、様々な事象の差を解説しようと言うものなのですが、その中で 「ジョギングをしてダイエット(体重・体脂肪を減らす行為を何でもこう称します)するには朝…

クロロフィルが予防する謎の疾病 「月琴病」とはなにか NATROMの日記より

現役のお医者さんで怪しいニセ医学などを糾弾する活動を以前から進めておられる、NATROMさんの「NATROMの日記」6月21日の記事に傑作な話が載っています。 NATROMの日記 (2016.6.21の記事) クロロフィルの効用について、「月琴炎」に効果があるという話…

FOOCOM.NET専門家コラム 児林聡美さんの栄養疫学の基本の解説

FOOCOM.NETの専門家コラムで注目している児林さんの最新記事です。 「減塩で高血圧予防」も疫学が生きている:疫学調査の裏側お見せします1 | FOOCOM.NET 前の記事では「女性3世代研究」という調査から得られた知識で、タンパク質を多めに摂るのが虚弱を防ぐ…

FOOCOM.NET松永編集長 水素水の記事の反応 抗議文が来たそうです

FOOCOM.NET松永編集長が最近の水素水と称する「ただの水」に関する現状を取り上げた記事を書かれましたが、その続報です。 前の記事についての紹介はこちら。 水素水なるもの蔓延中 - 爽風上々のブログ 今回の記事はこういったものです。 www.foocom.net マ…

「巨大地震と高速鉄道 新潟県中越地震をふりかえって」仁杉巌監修 久保村圭助、町田富士夫編著

先日の熊本地震では九州新幹線で回送列車が脱線、長期にわたり運休し、運転再開した現在でも2ヶ月弱が経過し未だ徐行、変則ダイヤでの運転が強いられています。 同様の状況が、平成16年の中越地震でも発生し、新幹線開業以来初の運転中の列車の脱線事故が…

「構造災 科学技術社会に潜む危機」松本三和夫著

福島第1原発事故は人災か天災かということは議論になりましたが、ほぼ人災と言えると思うものの確定しているとも言えないでしょう。 その辺りの論点を整理する意味でも、この松本三和夫さんが提唱されている「構造災」という考え方は有効かもしれません。 松…

「生物多様性 ”私”から考える進化・遺伝・生態系」本田達雄著

生物の種の滅亡が続き、生物多様性というものが失われているということが言われていますが、これについて生物学者ではあるものの、生態学や環境学が専門ではなく、ナマコの研究をしていたという、前東京工大教授の本田さんが書かれています。 そのためか、と…

硝酸の摂取は高血圧を是正し長寿につながるのか 西尾道徳さんの環境保全型農業レポートより

元筑波大学教授で土壌微生物がご専門の西尾道徳さんが書いておられる「環境保全型農業レポート」に非常に悩ましい?記事が書かれていました。 No. 299 沖縄県人の長寿命は食事からの高硝酸摂取による | 西尾道徳の環境保全型農業レポート 京都大学の家森さん…

「地震の揺れを科学する 見えてきた強震動の姿」山中浩明編著 武村雅之/岩田知孝/香川敬生/佐藤俊明著

本書のあとがきに書かれているのは無署名ですがおそらく編著者の山中さんだと思います。 そこには「これまでの地震に関する一般向けの啓蒙書の多くは、一方でプレートテクトニクスなどの基礎的な地球科学を扱うものと、もう一方で耐震・防災に関するものであ…

FDA(アメリカ食品医薬品局)は食品企業向けに加工および市販の調理済み食品の自主的ナトリウム削減ガイド案を発表

畝山智香子さんの「食品安全衛生ブログ」(2016.6.02)によれば、アメリカ食品医薬品局が食品企業向けの自主的ナトリウム削減ガイド案を発表したとのことです。 食品安全情報blog 2016年6月1日付けのFDA News Releaseに出ています。 www.fda.gov 畝山さんの…

水素水なるもの蔓延中

この前の伊勢志摩サミット(G7)の会場では「水素水」なるものが配られてしまい、日本が良い笑いものになりそうという話がありました。 先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)でエセ科学の水素水が配布されていて日本の恥 | netgeek すると、バレエサロンをやっ…

「DNAで語る 日本人起源論」篠田謙一著

以前に埴原和郎氏の日本人の二重構造起源論に触れ、衝撃を受けたのですが、それはそれ以前の単一民族幻想の日本人論が無意識に基盤にあったためにそれを完全に打ち壊したように思えたのでした。 しかし、その後のDNA分析の長足の進歩により古代人の人骨化石…

FOOCOM.NET専門家コラムで児林聡美さんが栄養疫学記事

表記のコラムで栄養疫学研究者の児林聡美さんが老人の食生活と健康の関係についてのご自身が発表された研究論文の紹介をされています。 たんぱく質は高齢者のフレイルティを予防するか? | FOOCOM.NET 「フレイルティ」とはあまり聞いたことのない言葉ですが…

「これからの環境論 つくられた危機を超えて」渡辺正著

環境問題として取り上げられてきた多くの問題はその真の危険性を遥かに超えるような虚像を与えられて、その対策に巨額の費用をかけてしまったという愚行をもたらしました。 それらの幻がまだ猛威を振るっていた2005年に反二酸化炭素温暖化で有名な渡辺正…

ゲノム編集という新しい技術 FOOCOM.NETで松永さん、白井さんが相次いで記事

「ゲノム編集」という技術による動植物の性状改変が実用段階に入ってきたようです。 これについて、FOOCOM.NETで松永和紀さんと白井洋一さんが相次いで記事を書いています。 マッシュルームで動き出す、ゲノム編集作物 | FOOCOM.NET 新育種技術(NBT)、ゲノム…

「首都直下地震」平田直著

この本は先々週に読み、この原稿は4月12日、熊本地震発生の2日前に書いていました。自分の足元の危険性も分からずに首都圏の心配をしていたことになりますが、それは仕方のない事でしょう。 災害研究者や担当官などにとっても異例ずくめの熊本地震でした…

「キノコの教え」小川眞著

著者は森林総合研究所などで主に菌根菌の研究を長らくされていた方ですが、キノコに関して広い話題を専門の知識を交えながら語っています。 なお、私もかつては会社の研究所に属していた頃に仕事の一環として菌学会に数年参加していたことがあり、総会や見学…

災害が襲う頻度に比べあまりに短い人の一生、そして人類文明も

3月11日には東日本大震災発生からちょうど5年ということで報道は多くの特集が組まれテレビなどは一日中ほとんどその番組ばかりでした。 犠牲となり亡くなった人々を取り上げ、その人達を忘れずにその災害を考え、対策をして二度と犠牲者の発生が無いよう…

福島での甲状腺検査について困った新聞記事

福島では原発事故以降子供の甲状腺ガン発生の疑いのために全員に対しての甲状腺検査を実施していますが、その結果の解釈についての毎日新聞記事をFOOCOM.NETの松永編集長が批判しています。 両論併記の罪〜東日本大震災5年に思う | FOOCOM.NET 実は我が家も…

「臨床試験済」ってどういうつもり

最近のテレビCMで目立つのが「臨床試験済み」をやたらに強調する健康食品です。 名前をボカしたところで仕方ないので明記しますが、ファンケルの「えんきん」です。 臨床試験をやったからといってその結果が問題なのに、単に試験済と言うのもおかしな話だと…

NATROMの日記 2015年の自選ベスト3の記事

現役の内科医で以前から「ニセ医学」といったものに対して厳しく批判する記事を書いているNATROMさんの「NATROMの日記」と言うブログがあるのですが、その2015年12月31日付けの記事は今年の自選ベスト3と言う記事でした。 NATROMの日記 (2015.12.31) 取り…