爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

環境資源

「水と緑と土 伝統を捨てた社会の行方 改版」富山和子著

本書の初版の出版は1974年、まだ石油ショック前で高度経済成長の最終期とも言える時期です。 その時代にこのような環境重視の提言を行うことができたということには驚きです。 著者の富山さんは記者から始めて主に都市問題を扱ってきたということですが…

「脱炭素化」に原発は必要なのか不要なのか。ブルームバーグに載っていた記事に正反対のものが。

「脱炭素化」という言葉ばかりが独り歩きし、その中身は千差万別、玉石混交(本当は石とも言えないガラクタ)、魑魅魍魎とも言うべき有様です。 ブルームバーグの記事で全く正反対ともいえるものがありました。 www.bloomberg.co.jp電事連副会長の佐々木氏が…

太陽光発電EPR10の意味、そして化石燃料エネルギーのすごさとそれに頼る危険性

太陽光発電のEPRが10を超えたということについて考えている内に、そんなものでは到底不十分だろうということに思い当たりました。 そしてそれに比較した時に化石燃料による火力発電の莫大な力というものにも改めて驚いたと言えます。 今さらそんなことに気…

原発の電力を用いて水素製造に乗り出すのか。

水素水素とうるさいことですが、原発の電力を用いて水素を作り出すということが進んでいます。 www.nikkei.com 「原発と水素」というと、嫌でも福島原発事故の際の水素爆発を思い出してしまいますが、そうではなく水素製造に原発の電力を用いて水の電気分解…

太陽光発電の問題点はEPR計算の問題ではないかもしれないことに思い当たった。

最近、雑草Zさんと太陽光発電などのEPRについて議論をしていたのですが、どうも私の主張していた点にも穴があるように感じてきました。 それは「EPRの計算において数え落としが多すぎる」というもので、それを是正するためにも厳密な計算法の確立をすべきと…

「水素社会は夢じゃない」? 川崎重工は社運をかけているようです。

水素というものに対して期待する動きが強まっています。 気候変動が実感として感じられるようになり、その原因と考えられる二酸化炭素放出が少ない(実際は単に”見えない”)ものへの転換が必要とされてきましたが、それの第一歩として広められた太陽光発電や…

ナノプラスチックを血液の中から検出

我が家の購読新聞、熊本日日新聞で21日付けの紙面の1面に大きく掲載されていた記事が以下のものです。 news.yahoo.co.jpごく微量のようなので、問題は分析技術次第だと思います。 記事中にもあるようにオランダの研究グループの例がすでに発表されているよ…

FIT(再エネ賦課金)が4月からさらに60%上がるとか。

再生エネルギー業者などに助勢するために電気使用のすべての人にかかるFIT(再エネ賦課金・電力固定価格買い取り制度)が4月からさらに60%も増加するということです。 agora-web.jp 電気料金の明細を見ると溜息が出るばかりですが、それにさらにこの賦課…

発電装置について、EPRを持ち出すと誤解する場合がある

このブログでは「エネルギー文明論」というカテゴリーを作りいろいろと書いてきましたが、最近その初期の文章を「雑草Z」さんが読んで下さり、コメントを頂いたことがありました。 sohujojo.hatenablog.comそれによると上記の産総研の解説ページはすでに無い…

太陽光や風力発電の電力が使い物にならないものだとは思っていたけれど、「砂電池」とは。

太陽光発電や風力発電の電力は安定性が乏しく、品質の悪いもので使いづらいものだということはある程度は知れ渡っていると思います。 そのため、なんとかして平準化することが必要なのですが、それを電力会社に押し付けようとしてひどいことになっています。…

「気候テック伸び期待の5分野」だそうで。

日経新聞に出ていた記事ですが、気候テックとやらで期待が高まる5つの分野を紹介とのことです。 www.nikkei.com まず「気候テック」という言葉自体かなり違和感を覚えるところです。 地球温暖化という問題が大きなもののように見せようという思惑で動いてき…

食糧不足による戦争では殺戮に歯止めがかからないと思われるが、すでにガザ地区の様相はそれに近いのか。

戦争での殺戮はどんどんと激化しており、1次2次世界大戦では死者数もそれまでの戦争とは桁違いに増加しました。 しかしもしも今後世界的な食糧不足によって戦争が勃発するならばその殺戮には歯止めがかからなくなるだろうと以前に何度か書いたことがありま…

FIT(電力固定価格買い取り制度)の買い取り価格が下がったからといって、家庭に蓄電システムを備えさせようとは、どれだけ設備屋に貢がせるの。

FITの金額はどんどんと下がり初期の4分の1程度になってしまっているそうです。 (それにしては電気使用者に対する請求額は増え続けていますが) そのため、家庭での太陽光発電などでは収入が減ってしまって損になるので、蓄電池を入れて自宅で電力を消費し…

「メガソーラーが日本を救うの大嘘」杉山大志編著、川口マーン恵美、掛谷英紀、有馬純他著

メガソーラーなどという大規模な太陽光発電設備が日本のあちこちに設置されて異様な光景を形作り、そればかりかがけ崩れや洪水といった災害すら引き起こしています。 そのようなおかしな状況がなぜ作られてしまったのか。 キャノングローバル戦略研究所の杉…

伊方原発再稼働差し止め訴訟判決、近藤邦明さんの意見。

大分地裁で愛媛県の伊方原発再稼働停止を求めた訴訟に判決が出ました。 それについて「環境問題を考える」の近藤邦明さんが評しています。 HP管理者から2024年part1/温暖化対策は存在しない/ウクライナ問題に対する愚かな対応を憂う (表題が違いますがクリ…

珍しく新聞で脱炭素化技術の批判、京都新聞が二酸化炭素地中貯留と水素を推進する法案を取り上げる。

新聞やテレビなどのメディアでは脱炭素化技術と言われるものを批判することがほとんど見られません。 中には相当胡散臭いものもあるのですが、なぜか口をつぐんでいるように見えます。 しかし、京都新聞では国会で法律制定に向かっている二酸化炭素地中貯留…

洋上風力と水素で地域創生なんていうのは幻想だという、当然の話。

洋上風力発電で水素を作るという夢物語で、地域創生につなげようという話が広まっているようですが、そんなものは幻想だという山本隆三さんという方の書いた記事です。 news.yahoo.co.jp この方がどういった職業をされているのかは分かりませんが、講演で話…

再生可能エネルギーは化石燃料を越えられない。杉山大志さんの極めて当然な指摘。

キャノングローバル研究所の杉山大志さんが、日刊工業新聞に書いていたものですが、「再生可能エネルギーは化石燃料の経済性を越えられない」という当然の話です。 cigs.canon太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが増えていると言われていますが…

再生エネルギーの循環?、どこがおかしいのか分かるかな。

テレビ高知でドイツ取材をして「再生エネルギーを循環使用」したというバイオマスの木質ペレット製造施設について紹介したということです。 news.yahoo.co.jp ドイツがバイオマス発電の先進国なんていう話は知りませんでしたが、上記記事を見ると皆が感心し…

「エネルギー大論争」バリー・コモナー著

アメリカは国内産の原油をフルに使って産業化を進めましたが、さすがに1960年代からその生産量は落ち、中東産原油の輸入を増やしていきました。 しかし中東戦争に伴う原油貿易の削減で起きた石油ショックで大きな影響を受けます。 それに対して当時のカ…

武豊発電所火災はバイオマス原料からの発火か。

JERA武豊火力発電所の火災はニュースで空からの映像が流れるなど注目を集めました。 その原因はどうやらバイオマス原料からの発火のようです。 news.yahoo.co.jp木質ペレットと呼ばれるバイオマス発電の燃料ですが、それから発火して火災が発生するという事…

電気自動車の評価にLCAを取り入れると大変なことになるという当たり前の話。

バッテリー電気自動車(BEV)は温室効果ガス排出削減と言う点で環境にやさしいなどと言われてきました。 しかしそこに「LCA評価」を取り込むと別の結果が出るという、極めて当たり前の話ですが、これを取り上げる人がなかなかいませんでした。 news.yahoo.co…

世界の電力使用量、AIと仮想通貨で大幅増

AIの使用増加が顕著ですが、それで電力使用量も大幅に増えたという話です。 jp.cointelegraph.com仮想通貨、AI、さらにデータセンターが大量に出力を消費し、それが数年で10倍といった伸び率で増えていくとか。 ただし、IEAのレポートでは電力の供給源とし…

電気料金、エネルギーコストはどうなっていくのか。

電気料金が上がっていき大変だということになっています。 一方では脱炭素化を進めるということで風力発電や太陽光発電へのシフトということが言われます。 しかしそうなっていった場合の電気料金がどうなるのかということはあまり触れられません。 企業の収…

日本がパリ協定を離脱する?杉山大志さんの解説

COP28では各国が化石燃料からの脱却に合意したという報道がなされました。 しかし杉山大志さんによればこれは意図的な曲解であり全く合意などされていないようです。 真相は、「実際に合意されたのは「COP28が各国に化石燃料から移行する世界的な努力に寄与…

EUがウクライナ支援を続けているのはリチウム資源のためか。

ウクライナ紛争ではアメリカがウクライナ支援を行っていますが、EU諸国もそれに同調しています。 NATOの戦略としての加担だと思っていましたが、別の理由があるかもという記事です。 「賀茂川耕助のブログ」で海外記事からの引用で掲載されていた、Phil Butl…

太陽光発電パネルは地震などで破損の場合も感電事故の危険性あり。

能登半島地震では太陽光発電装置の被災も多いようですが、装置が壊れていても発電は行われるため、感電事故の危険性があるようです。 news.yahoo.co.jp 注意喚起が繰り返されているようですが、そこで批判が飛び火したのが東京都の小池知事。 環境重視のポー…

石炭火力廃止を急ぐ本当のところ。

脱炭素化を目指すという動きの中では特に石炭火力発電が目の敵にされ、それを急がない日本が非難されるといった事態になっています。 その世界情勢とはどのようなものなのか。 山本隆三さんという方がWedgeで書いていました。 news.yahoo.co.jp石炭火力廃止…

COP28閉幕、「化石燃料の廃止」とは言えず、「化石燃料からの脱却を進める」でごまかす。

「気候変動対策の国連会議」であるCOP28が閉幕し、最終的な合意文書では「化石燃料の段階的廃止」という文言を入れようとしたものの、結局は「化石燃料からの脱却を進める」という表現に落ち着きました。 www3.nhk.or.jpまあ、そもそも「気候変動対策」など…

知らないことってまだまだ多いですね、「チタンの歴史」

いろいろなところで耳にする「チタン」ですが、その歴史はそれほど長いわけではなく、ごく最近と言える時間内のことだったようです。 gigazine.netGigazineというところで出ていた記事ですが、元はブライアン・ポッターという人が書いたものだそうです。 チ…