爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

歴史

「島原・天草の諸道 街道をゆく17」司馬遼太郎著

あまり司馬さんの本は読まないのですが、この一冊だけ。 「街道をゆく」というシリーズは、数十冊も書かれており、日本国内だけでなく海外版もあるようですが、その中で「島原・天草」というこの本のみ読みました。 したがって、シリーズがどのような主題を…

「幕末・明治 偉人たちの定年後」河合敦著

幕末から明治にかけて、激動の時代には数多くの人々が活躍しました。 中にはその過程で生命を落とした人々も居ますが、生き延びて明治時代以降も過ごした人たちがいます。 この本は、そのような明治維新の偉人と言われる人々の、その後の話を集めたものです…

「日本政治とメディア テレビの登場からネット時代まで」逢坂巌著

長期化した政権のおごりからか、テレビ報道などでの政治の扱いに政権が文句をつけるといった事例が目立つようになっていますが、テレビ登場の頃にはほとんど政治に関する放送はなく大した影響もないものでした。 しかし、テレビ放送の影響力はどんどんと増し…

「スコットランド 歴史を歩く」高橋哲雄著

スコットランドと言えば、キルトやタータンチェック、イングランドと今は一つになっているとはいえ、古くからの伝統が残っているところというイメージですが、どうもそうではないようです。 あの男性がはくスカートのようなキルト、あれも中世以前に遡るよう…

「戦後日本経済史」野口悠紀雄著

第2次世界大戦で敗れた日本は、占領軍によって農地改革や財閥解体などの民主化改革を受け、軍備増強ではなく経済成長に集中することができたために、戦後の復興と高度経済成長を果たすことができたというのが、標準的な見解でしょう。 しかし、大蔵官僚とし…

「島津家の戦争」米窪明美著

薩摩を支配してきた島津家は、鎌倉時代初期に入って以来一度も離れること無く続きました。 その薩摩の島津宗家の四代当主、島津忠宗の六男、資忠が足利将軍家から日向国に所領を与えられたことにより、都城島津家という島津の分家が成立しました。 こちらも…

「ナポレオン 戦争全史」松村劭著

著者の松村さんは自衛隊で作戦幕僚などを歴任、実際に戦闘経験はないでしょうが、戦略というものを仕事にしてきた方です。 以前、現代戦の戦法について書かれた本を読んだことがあり、「これはかなりの珍品だ」という感想を持ったのですが、今度読んだこの本…

「イタリア遺聞」塩野七生著

イタリアに住み、「ローマ人の物語」などの大作を著した塩野さんですが、それらを出版する以前に書かれた小品です。 それでも、歴史上の数々のエピソードを紹介され、その後の小説につながったものも多いのではないでしょうか。 イタリアでも諸都市の間では…

「小さな大世界史」ジェフリー・ブレイニー著

人類が誕生した200万年前から現在までの人類通史というものを書いてやろうという無謀?な試みでできた本です。 著者はオーストラリアの歴史家ですが、政治的な発言も多いという、元メルボルン大学教授のブレイニー氏です。 そのためか、監訳の南塚信吾千…

「武士はなぜ腹を切るのか 日本人は江戸から日本人になった」山本博文著

日本人の国民性と言われるもの、義理堅いとか、我慢強いとか、規律を守るとか挙げられますが、これらは江戸時代に形作られたものと言えそうです。 それ以前の時代とは大きく違うものが、出来上がって行きました。 ただし、それは現代にも受け継がれていると…

「歴史に学ぶもの逆らうもの」吉岡吉典著

著者はすでに亡くなっていますが、共産党の中央委員会委員で参議院議員としても長く活躍されていた人です。 この本は1988年の出版、ちょうど昭和天皇が亡くなり平成に入った頃のことです。 昭和天皇の病状悪化から危篤、逝去までの世相というものは、も…

「日本民族の誕生 環日本海古民族と長江流域文化の融合」安本美典著

在野の古代史研究家である安本さんが非常に大きな観点から日本民族の古代の成立について語っています。 著作は何冊もあるものの、既成古代史学会からは無視同然の扱いといったところでしょうか。 しかし、この本を見ても関連する研究者の意見には丹念に目を…

「モンゴルvs.西欧vs.イスラム 13世紀の世界大戦」伊藤敏樹著

ジンギス汗が統一したモンゴル民族は圧倒的な軍事力で広大な地域を征服しました。 西方では中東やロシアまでを支配しましたが、現ポーランドのレグニツァ(ワールシュタット)の戦いで西欧軍を大破したもののそれ以上の西進はせず停滞しました。 というのが…

「細川ガラシャ キリシタン史料から見た生涯」安延苑著

明智光秀の娘として生まれ、細川忠興の妻となり、キリスト教徒となって関ヶ原の戦いの前に石田三成に人質とされようとして壮絶な死を遂げた、細川ガラシャ。 その名は日本ばかりでなくヨーロッパでも知られているのですが、実際の彼女の人生がどのようなもの…

「そして最後にヒトが残った ネアンデルタール人と私たちの50万年史」クライブ・フィンレイソン著

ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)と現生人類(ホモ・サピエンス)は50万年前に分離し、その後は地理的に隔絶して暮らしたために徐々に様々な部位に差ができたと言われています。 そして、ネアンデルタール人の絶滅は意外に最近のことで…

「キリスト教と戦争 愛と平和を説きつつ戦う論理」石川明人著

キリスト教徒は「愛」と「平和」を口にしていますが、戦争もしています。 戦争とキリスト教との関係というものについて、納得行く回答をされることはありません。 キリスト教徒は現在世界に23億人います。 彼らの中で一部の人のみが好戦的で、ほとんどは平和…

「宗教で読む戦国時代」神田千里著

戦国時代の宗教については、つい先日もキリスト教殉教者という観点からの本を読みました。 sohujojo.hatenablog.comその本はキリスト教からの視点が強かったようですが、今回読んだこの本は仏教など日本在来の宗教からの観点で戦国時代末期から江戸時代初期…

「ノアの洪水」ウィリアム・ライアン、ウォルター・ピットマン著

キリスト教の聖書に描かれているノアの洪水については、実際に大洪水があった記憶が残っているのではないかという推測から、あちこちにその痕跡を探るということが行われてきました。 しかし、陸上でいくら探してもさほど大きな洪水の痕跡というものは見つか…

「世界全戦争史」柘植久慶著

世界の歴史とは戦争の歴史であると言えるでしょう。 戦争のことを考えずにいるのは危険なことだということです。 そこで、歴史上の「全」戦争を紹介しようということなのでしょうか。 「全」という割には取り上げられていないものもあるようです。 最初の戦…

「殉教 日本人は何を信仰したか」山本博文著

戦国時代末期に伝来したキリスト教は、多くの信者を獲得しましたが、秀吉や江戸幕府により死刑をもって禁止されました。 そのために、多くの殉教者が出たのですが、実はこれほどまでに多数の殉教者が出たというのはキリスト教の長い歴史の中でも珍しいことの…

「九州のなかの朝鮮 歩いて知る朝鮮と日本の歴史」九州の中の朝鮮文化を考える会編

九州と朝鮮半島の距離はわずかなものであり、福岡から東京に行くよりは釜山に行くほうがはるかに近いものです。 古代から近代まで、朝鮮半島から日本へは多くの人間、事物が流れ込みましたが、そのほとんどは九州を経由していきました。 また、国家体制が緩…

「知れば知るほどおもしろい 琉球王朝のすべて」喜納大作、上里隆史著

現在は沖縄県となっていますが、かつては琉球王国という独立国でした。 中国の王朝に冊封され、東南アジアから朝鮮まで広く交易を行い栄えていたのですが、17世紀には薩摩の島津氏の支配を受け、明治維新後の日本に併合されて王朝は滅びました。 部分的に…

「知識ゼロからの 浮世絵入門」稲垣進一著

浮世絵は世界的にも人気が高く、多くのヨーロッパ近世の画家に影響を与えたということは知ってはいても、実際にどのようなものか知識があるという日本人はあまり居ないでしょう。 中学高校の美術の授業でも、ゴッホやモネは教えてもあまり浮世絵の画家のこと…

「百済の王統と日本の古代」兼川晋著

かなり時代が下っても九州に王朝が存在したという、九州王朝説は正統派学界からはほとんど無視されているような状況ですが、民間の古代史愛好家が集う九州古代史の会などで活動は続けられているようで、本書著者の兼川さんも活躍されています。 本書の冒頭に…

「日本人の源流 核DNA解析でたどる」斎藤成也著

国立遺伝学研究所の斎藤さんの本はこれまでにも2冊読んでいますが、最新のDNA解析技術を用いた検討で日本人の遺伝的構造を探るという、最新の情報を基に一般向けに分かりやすい内容となっています。 この本も2017年10月の出版というもので、最近急激に進歩し…

「侠骨記」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本は以前は読んでいましたが、このところ少しご無沙汰していました。 久しぶりに手に取ったこの本は、1991年に著者が「夏姫春秋」で直木賞を受賞した頃に出版された初期の作品群の一冊です。 著者の作品には、中国古代を扱ったもの、著者故郷の…

「古代国家はいつ成立したか」都出比呂志著

著者の都出さんは、考古学者で「前方後円墳体制論」という初期国家論を提唱されている方ということです。 どうも古墳の形式の伝播を見ていけば当時の体制が理解できるという主張のようですが、それを調べていると本書の記載について強烈に批判してあるサイト…

「ダ・ヴィンチ絵画の謎」斎藤泰弘著

ルネサンス絵画の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は、その最高傑作のモナリザを始めとして多くの謎を秘めています。 それについて数多くの研究が為され、様々な学説も発表されています。 そういったことについて、ダ・ヴィンチ研究の専門家である著者が…

「北陸の縄文世界 御経塚遺跡」布尾和史著

新泉社から出版されている「シリーズ遺跡を学ぶ」という本の中の一冊です。 まあそれほど実際の遺跡というものに興味があるわけでもないのですが、この遺跡には関わりがあったために読んでみました。 少し前に仕事で金沢に行っていたのですが、その際に住ま…

「ラテン語の世界 ローマが残した無限の遺産」小林標著

ラテン語は古代ローマの言葉であり、ヨーロッパでは古典として学ばれ近代までは学術用語として使われていたというイメージです。 しかし、現代の世界語とも言うべき英語の中にはラテン語から直接続いている言葉も多く、また新たに作られる言葉もラテン語の法…