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爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「邪馬台国への旅 日本全国比定地トラベルガイド50」邪馬台国探検隊編

邪馬台国がどこにあったかということは昔から論争の種でしたが、ここぞその地という説が何十もあるという状態です。 この本はそのうち代表的な50の地域についてその地域を邪馬台国と提唱している人の名前、遺跡などの写真、地図、アクセス等の情報を簡潔に…

「時代小説で読む日本史」末國善己著

(まだまだ地震終息にはほど遠いのですが、これまで書き溜めた記事下書きも多いのでちょっとずつ公開していきます。これを書いた時はまだ静な時だったなと思い返すとこの1週間の出来事が夢のようです。本当に夢だったらまだ良いのですが、現実です) 文芸評…

「吉野ケ里、藤の木と古代東アジア」日中韓国際シンポジウム 出席者上田正昭、安志敏、金元龍、森浩一、西谷正、和田萃

かなり古い本ですが、1989年11月に京都新聞社主催で開かれた国際シンポジウムの記録です。 その直前の1985年に奈良斑鳩の藤ノ木古墳で非常に高度な副葬品が見つかり、当時の王族の墓ではないかと言われ、また1987年には佐賀の吉野ケ里遺跡の発掘調査結果が発…

「オーラル・ヒストリー 現代史のための口述記録」御厨貴著

「オーラル・ヒストリー」というものが何かということは全く知りませんでした。 著者によるその定義は「公人の、専門家による、万人のための口述記録」であるということです。 イギリスなどでは引退した政治家などが回顧録といった形の著述をする例が多いよ…

「トロイアの真実」大村幸弘著

トロイアの遺跡といえばシュリーマンが子供の頃に読んだホメロスのイリアスの記述をそのまま信じて発掘し、プリアモスの財宝を掘り当てたという物語が有名で、世界遺産にもなっていますが、実はそれほど単純な話ではないということを大学卒業後にすぐにトル…

「古墳のはじまりを考える」金崎恕、森岡秀人、森下章司、山尾幸久、吉井秀夫著

2003年に大阪府文化財センターが開催した文化財講座「古墳のはじまりを考える」の講義内容を元にまとめられたのが本書です。 市民向けの講座として開かれたものですが、内容はかなり専門的なものだったようです。 著者として挙げた人々が1回ずつの講義…

「通商国家カルタゴ」栗田伸子、佐藤育子著

カルタゴというと古代ローマと地中海の覇権を争い3回のポエニ戦争を戦ったものの最後には敗れて跡形もなく壊されてしまったということはよく知られているでしょうが、その実像はあまり分かっているとは言えません。 これはカルタゴを打ち破ったローマがその…

「天災と復興の日本史:再読」外川淳著

この本は2年余り前に一度読んでいますが、その読書記録を読んでみるとあまりにも簡単な感想だけであるのに驚きました。 著者の外川さんは地震や火山の専門の学者ではなく歴史家であるために、天災について詳しく書かれているわけではなく、どちらかと言えば…

「木簡・竹簡の語る中国古代」冨谷至著

木を削って作った木片に文字が書いてある「木簡」というものが古代の遺跡から掘り出され、そこに書いてある文字が解読されたというのは今でも時々ニュースになります。 紙と言うものが書写用の材料として使用される以前にはそのような物に書かれることによっ…

「死海文書Q&A」池田裕著

死海文書と言う名前だけは聞いたことがありましたが、その内容などはまったく知らないままでした。 今回、イスラエルのヘブライ大学で学び学位を取ったという専門家の解説を見ることができました。 死海文書というものは、一言で言えばユダヤ教経典の写本と…

「中国歴史名勝図典」瀧本弘之編著

中国の明清の時代には各地の名所旧跡を版画として出版し、それを楽しむという風習が広がりました。 江戸時代にはそういった図版が多数日本にも舶載され、知識人たちに歓迎されたそうです。 本書は出版社で編集者として働きながら中国版画の研究を続けてこら…

「古文書はこんなに面白い」油井宏子著

著者は中学校教諭のかたわら古文書研究を続けてこられ、その一般向けの解説書も多数出版されているようです。 古文書というものは江戸時代以前のものですが、ほとんどのものは筆書きの崩し字で書かれているために簡単に読むことはできません。 私も博物館で…

「考古学はどんな学問か」鈴木公雄著

慶応大学の名誉教授であった著者の鈴木さんですが、考古学に関するあれこれを記した本書出版の直前に亡くなっています。遺書のようなものだったのでしょうか。 考古学の主流は文献が出始める歴史時代の前の時代を扱ったものかもしれません。著者も縄文時代の…

「西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦」小川原正道著

西南戦争は本書題名の通り日本最後の内戦と呼ばれている大きな反乱でした。 鹿児島で挙兵し陸路を北上して当時の熊本鎮台、熊本城での攻防戦と田原坂の戦いが有名ですが、いずれも南九州一帯が舞台であり私の現住所付近でも様々な跡地が残っています。熊本城…

「”常識”の日本史」井沢元彦著

「逆説」の日本史というシリーズを出版されている井沢さんですが、常識的な日本史というものは何かというと歴史学者がスタンダードだと認めたものとしています。 しかし、歴史学者の常識は一般人が普通に考えるものと相当違うという主張です。 歴史学者はた…

「<世界史>の哲学 中世編」大澤真幸著

「世界史」の方に惹かれて選んだ本でしたが、「哲学」の色合いが非常に濃いものでした。したがってその読み方も難しく結局理解できなかった部分も多いまま残ってしまいました。 著者の大澤さんは社会学博士ということですが、哲学の方向に進まれたようです。…

「天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替」遠山美都男著

著者は歴史学を専攻してはいますが、その後は大学で非常勤講師などを勤めておられたということで、少なくとも学界の中心の潮流に属しているとは言えないようです。 本書の内容も古代の天皇を論じているのですが、その手段としてはあくまでも日本書紀の記述を…

「人はなぜ歴史を偽造するのか」長山靖生著

歴史問題と言うと最近では戦争に関するものがホットな話題となっていますが、本書はそのあたりも若干は触れていますが、主要な話題は偽家系について、そして明治時代の南北朝の正閏問題です。 江戸時代の大名の大部分は先祖を偽っていたようです。徳川将軍家…

「地上から消えた謎の文明」吉村作治監修

エジプト考古学で有名な吉村さんの監修ということですが、世界中のかなり小さな遺跡についても記されており多数の人々の手がかかっているようです。 消えた文明というとナスカやストーンヘンジなど、その後の継承がなく今ではどのような文明であったかも不明…

「”鬼平”の江戸」今川徳三著

火付け盗賊改として活躍した長谷川平蔵を主人公とした池波正太郎の「鬼平犯科帳」は多くのファンを持ち、またテレビシリーズや映画にもなって大好評でした。 作者の池波さんが亡くなった後にも以前にましてファンを増やしているようですが、改めて文筆家で江…

「秩禄処分 明治維新と武士のリストラ」落合弘樹著

明治維新でそれまでの幕藩体制というものが崩れ、士農工商というものも無くなり、士族と平民とに改変され、士族も禄というものを失い原野開拓などに向かうものもあり、また士族商法という言葉で表されるように下手な商売に手を出してすべてを失ったというこ…

「名士の系譜 日本養子伝」新井えり著

明治期から昭和まで活躍していた有名人がその伝記を見ると生家は別で養子に迎えられその姓となったという記述が多いことに気付きます。 一方、現在の方がかえって政治家・芸能人など世襲が多いことも周知のような状況です。 家と言うものに価値があった時代…

「殷 中国史最古の王朝」落合淳思著

著者は立命館白川静記念東洋文字文化研究所の研究員ということで、本書も甲骨文字の解明から見た中国の最古の王朝「殷」の歴史の真実を明らかにするという立場のものです。 殷王朝の頃、王朝中心部の王周辺で行われた占いの直接の記録である甲骨に書かれた文…

「博多 町人が育てた国際都市」武野要子著

小学校の頃に福岡で過ごしたこともある私にとっては博多というのは懐かしさもありまた九州第一の都市としていろいろな関係もあるところです。 その博多の主に歴史的な発展過程について、長崎生まれながら九大を出て福岡大名誉教授と言う著者が解説をされてい…

「新・ローマ帝国衰亡史」南川高志著

18世紀のイギリスの歴史家エドワード・ギボンが「ローマ帝国衰亡史」を著し、その後も多数の研究者がローマ帝国の運命について様々な視点から著述してきました。 帝国化したことによる皇帝の独裁体制の強化、財政難からの重税、ゲルマン民族の侵入、キリスト…

「時代的の間違い探し」若桜木虔、長野峻也著

時代考証家の若桜木さんが、武術の専門家の長野さんとともに時代劇によく見られる描写のおかしな点を数々挙げたという本です。 こういった本は他にも読んだことがあるのですが、普通は時代考証だけ、武術だけといったものなのですが、本書ではその両方を取り…

「武田信玄 伝説的英雄像からの脱却」笹本正治著

山梨県出身の歴史学者の笹本さんですが、信玄の実像に迫りたいという研究者のようで、通常の英雄観、または侵略者観といったものとは違うような資料に準拠した信玄像を目指しておられるようです。武田信玄というと様々なイメージが持たれており、風林火山、…

「よみがえる文字と呪術の帝国 古代殷周王朝の素顔」平勢隆郎著

著者の平勢(勢の字は正確には別字)さんは古代中国史の研究者ですが、様々な点について独自の学説を展開し発表しているために多くの研究者からの反論を受けているようです。 この本は自説の一部を広く一般向けに解説しようというものですが、最終章には他の…

「芭蕉の真贋」田中善信著

著者は俳諧に詳しい文学者で、芭蕉についての研究も深くされているようです。 そのため、芭蕉関連の資料についてもその真贋から検討されており、それは他の研究者と異なる見解であることも多いようで、論争となることもあるようです。 本書はその一端を紹介…

「唐から見た遣唐使 混血児たちの大唐帝国」王勇著

遣唐使(遣隋使も含め)は7世紀に始められ、第20回目に菅原道真が正使に任ぜられながら廃止と決まるまでの約200年続けられて数千人の人々が唐に渡りました。遭難が相次ぎ犠牲者も相当な割合に上ったということや、阿倍仲麻呂が帰国を果たせず唐で死亡したと…

「中世日本の予言書 (未来記)を読む」小峯和明著

平安時代末期から室町時代にかけての中世期には、「未来記」と称される予言を記したという書物が流行したということです。 戦乱が続いた時代にあって、このような乱世は昔予言されていたということを主張する人々があり、聖徳太子などがその予言書を残してい…

「”ザ・タイムズ”にみる幕末維新」皆村武一著

幕末維新のころの状況は日本国内でも多くの記録が残り、さまざまな文学の舞台ともなっていますが、実はヨーロッパなどから来訪した外国人もそれぞれ情報を国に持ち帰っていました。 そして、特にイギリスではすでにその当時には多くの新聞が発行されジャーナ…

「世界戦史99の謎」武光誠著

著者の武光さんは歴史学者で大学教授ですが、一般向けの歴史解説書を若いうちから何百冊と書いておりそのリストを見ると圧倒されます。 ただし、その歴史観というのは極めて通説通りというもののようで、あまり疑問を持った見方というものはないということで…

「旧約聖書の謎」長谷川修一著

著者はオリエントの歴史、聖書の歴史を専門とする史学者で、ハイデルベルグ大学、テルアビブ大学などでも研究をしてきたという専門家です。 旧約聖書はユダヤ民族の神話として扱われていますが、以前は(そして一部の人は今でも)本当の歴史を記述されている…

「大江戸生活体験事情」石川英輔・田中優子著

この本も石川英輔さんと田中優子さんの共著のものですが、1999年にそれ以前の2年に雑誌に連載されたシリーズを一冊にまとめられたものです。 江戸時代の生活について細かな検討をされていた著者ですが、実際にそれを体験してみようというもので、不定時…

「大江戸ボランティア事情」石川英輔、田中優子著

このところ連続して著書を読んでいる石川英輔さんが、江戸文化研究家で法政大学教授の田中優子さんと共同で書かれたのが本書で、江戸時代の政治や行政などの活動の大部分は「ボランティア」のような形で行われていたということを扱っています。なお、共著と…

「”三国志”の迷宮 儒教への反抗 有徳の仮面」山口久和著

三国志といえば中国の歴史の中では日本で最も人気の高いところで、小説は言うに及ばず漫画やゲームに至るまで数多くの出版物が溢れている時代の話ですが、そのイメージと言うのはほとんど三国志演義に基づくもののようです。 それがどの程度史実を表している…

「大江戸えねるぎー事情」石川英輔著

江戸文化研究家であり、また江戸時代のエネルギー事情などの著作もある著者で、私も最近その関連の著作を読みましたが、著者がそのような江戸時代と現代とのエネルギー事情比較というものを始めた最初のものが本書のようです。 1989年に出版されていますが、…

「私が見た、”韓国歴史ドラマ”の舞台と今」蓮池薫著

あの蓮池さんの著書です。帰国後は大学講師も勤める傍ら、韓国の本の翻訳などもされているようです。 韓国のドラマは日本では変わらずに人気を集めているようで、毎日放送がない日はないほどですが、北朝鮮の内情まで非常に詳しい著者がそれについて色々な感…

「江戸のまかない 大江戸庶民事情」石川英輔著

江戸文化についてさまざまな研究成果を各所に発表されてきた著者がそれまでの文章をひとつにまとめて1998年に「雑学大江戸庶民事情」という本を出版したのですが、その後もそのような文章がたまったので、それらもまとめなおして2001年に出版したと言うのが…

「つくられた卑弥呼」義江明子著

邪馬台国の女王卑弥呼は神の言葉を告げる巫女のような存在であり、実際の政治は弟が当たっていたというようなイメージがありますが、これは実はごく新しく作られたものであり、実はそうではなかったのではないかというのが著者の研究の結果出てきた結論とい…

「名画で読み解く”世界史”」祝田秀全著

著者は代々木ゼミナールの講師ということです。受験指導にも絵を使うというのは効果的なのでしょうか。 歴史上その時代に近いときに描かれた絵画もありますし、18世紀ごろから昔の出来事を絵画の題材として好んで描かれたということもあったようで、その絵…

「齋藤孝のざっくり!日本史」齋藤孝著

教育学者の齋藤さんですが、日本史の大きな出来事について現代にまで強い影響を及ぼしていることを示し、あらためてその意味を考えさせるという主題でいくつかの歴史を解説しています。 受験用の歴史と言うものは確かにあまり面白くはありません。教科書や参…

「向かい合う 日本と韓国・朝鮮の歴史 前近代編・上」歴史教育者協議会他編

日本と韓国の間の歴史というものは古代から深い関係を持っていたのは間違いないのですが、近いがために侵略や併合などの歴史もあったのも事実です。 しかし、正確な知識を持たないまま発言してしまうことがないとは言えないようです。 そのような状況を少し…

読書記録「江戸と現代 0と10万キロカロリーの世界」石川英輔著

21世紀に入った頃に日本でのエネルギー消費量が1日1人あたり10万キロカロリーであることを知った著者は、その半分、1/10の消費量だったのは何時だったかと調べ、5万キロカロリーだったのが、昭和45年頃(1970年)、1万キロカロリーだったのが昭和30年…

「南九州に栄えた縄文文化 上野原遺跡」新東晃一著

著者の新東さんは鹿児島県立埋蔵文化財センター次長という職で、遺跡発掘の直接の担当をされているということですので非常に詳しい発掘に関する記述がされています。鹿児島県などの南九州には縄文文化は無かったかのようなイメージがありますが、実は他の地…

「江戸っ子は虫歯しらず? 江戸文化絵解き帳」石川英輔著

江戸文化の研究家として知られている著者ですが、2012年発行の本書の巻末の著者略歴の中の著作紹介には初期のSF作品はまったく触れられていません。もはやそのような経歴は邪魔なのでしょうか。 それはさておき、小説などの文学では小道具・大道具にあた…

「江戸人と歩く東海道五十三次」石川英輔著

江戸時代の社会風俗について詳しい著者ですが、この本では東海道を中心とする当時の旅行・交通の事情について解説されています。 江戸時代の旅行の印象というと一般人には水戸黄門のテレビドラマなどのイメージが強いかもしれません。ほとんど徒歩旅行で、た…

「マリー・アントワネット」安達正勝著

マリー・アントワネットといえばルイ16世の王妃でフランス革命の際に死刑に処せられたということぐらいしか知らなかったのですが、生涯を詳しく解説された本書でだいぶ知識が増えました。まず、マリー・アントワネットはオーストリア王家の王女でありルイ13…

「ああ知らなんだ こんな世界史」清水義範著

作家の清水さんがたまたまトルコを旅行し、その魅力に取り付かれてその後イスラム教の諸国を毎年旅行するようになったのですが、行った先でいろいろな歴史遺物を見学してもほとんどその歴史を知らないと言うことに気付いてしまいました。 日本では世界史とい…