爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

エネルギー文明論

SDGsって何だ。

SDGsという言葉を聞くようになりました。 と言っても、テレビのCMで熊本出身の某プロ野球選手が「僕はレジ袋を貰いません」なんて言っているだけのことなんですが。 しかし、熊本市もなにやらSDGs推進都市となったとか、どこかの企業が参加したとか、そう…

年頭雑感「2020という数字」、そしてエネルギーの使い方について

2020年がスタートしました。 「東京2020」でオリンピックのことばかりがクローズアップされますが、考えてみれば「2020年代」が開始ということでもあります。 この10年がどうなるか、まあおそらくこれくらいは身体も持ちそうですから、その行…

歴史随想、もしも化石燃料というものが無かったら文明はどうなっていたか。

つい最近、比較文明史に関する本を読んでみましたが、その近代のキーワードのようなものが「西欧の衝撃」というものでした。 日本の例を取ってみても、戦国の世に南蛮船と呼ばれるポルトガルやその他の国の勢力と触れた時に、鉄砲というものの流入は確かに大…

原油価格高騰 シェールオイルはどこへ行ったの

原油価格の乱高下が続き、それでも価格上昇基調は変わらないようです。 その理由としては、トランプ外交の影響でイラン原油の取引停止に加え、サウジアラビアの記者殺害事件の影響も危惧されるとか。 jp.sputniknews.com しかし、おかしいと思いませんか。 …

人類史とエネルギー 持論

エネルギー問題というのは、人類の文明というものにとってこれ以上ないほどに重要なものであると思いますが、どうもその認識が行き渡っていないように思えてしまいます。 中東の地政学の問題にされてみたり、アメリカの戦略の問題と考えられたり。 どんなに…

「エネルギー基本計画」とやらが発表、だけどどこに「政策」があるのか。

エネルギー基本計画と銘打たれたものが発表されました。 mainichi.jp 「再生エネルギー」(これが”再生”などしていないということはもう何度も書いていますが)を主力にするということですが、24%と”わずかながら”原子力を上回る程度という、情けなくもバ…

世代間倫理というものについて

近頃考える事の多い、「世代間倫理」について、思考の跡を記しておきます。 世代間倫理のようなことは、自分で独自に考えてはいたのですが、本で読んだというのは加藤尚武さんの「環境倫理学のすすめ」というものでした。 sohujojo.hatenablog.com その中で…

環境大臣が無能ぶりをさらけ出し石炭火力発電にイチャモン

環境大臣が中国電力の石炭火力発電所増設に対して、二酸化炭素削減に反するとしてイチャモンを付けたそうです。 http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=40166 まあどうせ何もわからん大臣でしょうから官僚の言うがままでしょうが、それにしてもどうや…

温暖化ガス排出量、3年連続減少だが減少率は0.2%

日本の2016年度の温暖化ガス排出量は3年連続で減少したものの、その減少率はわずかに0.2%に留まったようです。 www.nikkei.com 温暖化による気候変動のせいで、気象災害が増加とか、そのうちにスーパーハリケーンが来襲するとか、脅し文句が飛び交っていま…

脱エネルギー社会の構築に向けて(5) 抵抗勢力は何か そして最弱点は

これまでの説明で、日本の現状では過疎化している地方を中心に自動車社会を解体し自立して自給自足に近い経済体制を取ることができる地域を再生し、脱エネルギー社会に向けたスタートを切ろうという目標を提示しました。 しかし、その手段としてあくまでも租…

脱エネルギー社会の構築に向けて(4) 第一段階脱エネルギー社会の交通体系

前回までの説明で、第一段階脱エネルギー社会(あくまでも「第1段階」です。理想社会にはまだまだ遥かに遠い)の交通体系が少し見えてきたかと思います。 大都市圏がどうなるかは触れません。それまでに大地震などで壊滅しなければよかったねという程度のも…

脱エネルギー社会の構築に向けて(3) 運輸交通はどの程度残すのか

ここから先が少しの条件の差異で大きく状況が変わってくるところです。 ガソリンなど化石燃料使用の自動車等の、個人使用は多額の税金徴収によって制限するという基本方針ですが、かといって移動手段、運輸手段を徒歩や馬車に限る訳にはいきません。 そのた…

脱エネルギー社会の構築に向けて(2) 自動車社会の解体の現実

話を続ける必要上、自動車社会解体のために石油燃料車の使用禁止に向けた政策を考えるという方向で書こうとしたら、イギリスやフランスでガソリン車使用禁止という話が飛び込み驚きました。 news.yahoo.co.jpこれは先を越されたかと思って少々焦りましたが、…

脱エネルギー社会の構築に向けて(1) まず進めるべきは自動車社会の解体

これまでも現代のエネルギー依存文明から脱却し、脱エネルギー社会を構築する必要性については何度か書いてきました。 エネルギー消費量半減のための社会改革 1- 爽風上々のブログ 私の目指す日本 政治とはそれを作り出すもの - 爽風上々のブログ その最大…

「再生可能エネルギー」も「エネルギーゼロ生活」も無い理由

何度もここで書いていますが、もう一度強調しておきたいと思います。 太陽光発電や風力発電を「再生可能エネルギー」と称したり、単に太陽光発電パネルを屋根に載せただけで「エネルギーゼロ住宅」などという宣伝にあふれていますので、それに影響を受けてい…

FIT(再生エネルギー固定価格買取制度)破綻間近

昨日になりますが、NHKの朝の番組でFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度、ちっとも再生はしませんが)がかなり問題となってきたということが報じられていました。 www.nhk.or.jpこの記事はすぐにネット上から消えてしまうでしょうから、長めに引用して…

社会不安も政治暴走も、どれもエネルギー依存文明の崩壊の表れ

もちろん、書くことはあの法成立の件ですが、そのカテゴリーに「ニュース」「政治経済」に加えて「エネルギー文明論」も加えました。 私にはこのような社会の流れというものが、現代の「エネルギー依存文明」が崩壊する過程における断末魔のきしみのように見…

太陽光発電のエネルギーペイバックタイムが3年とは本当か 近藤邦明さんの「環境問題を考える」で考証

エネルギーペイバックタイム(EPT) (またはEPR(エネルギープロフィットレシオ)というのは、太陽光発電のようなエネルギー変換装置の能力を評価し、その真の経済性を測るための基本的な性質で非常に重要な数値なのですが、これがどうやらいい加減な算出方…

私の目指す日本 政治とはそれを作り出すもの

私はこのブログで、日頃から政権批判を続けておりますが、政治のあるべき姿というものを主張することはあまりありません。 そのため、もしかしたら「批判だけで対案を持たないのではないか」と疑惑を持たれているのではないかという恐れを抱いております。 …

経済成長は本当に不可能なのか 広い視野でGWP(全世界総生産)を考えれば見えてくる

いつものことながら、歩きながら考えると良い考えが浮かぶとあって少し散歩しながら考えてきました。田舎の良さで考えながら歩いても安全なのが良いところです。 ★経済成長が可能かどうかの議論に抜けていたもの これまでも経済成長というものが本当にいつま…

エネルギー消費の増大を伴わずに経済成長ができるのか

世界の主要国ではどこも経済状況が沈滞しており、それを上向かせようとして様々な方策を実施しています。 日本ではまた懲りもせず巨額の国費投入による消費増大に頼るようで、将来のことなど何にも考えていない為政者を持つという不幸な状態になっています。…

エネルギー使用量半減のための社会改革 7 運輸交通の問題

エネルギーの供給不安に対応できる強靭社会の確立のためにエネルギー使用量を計画的に半減するための施策について考察していますが、産業全般の存続については基本的にはエネルギーの桁違いの削減ができないものは続けられないといことで対応するしかないで…

エネルギー使用量半減のための社会改革 6 産業はどうなるのか

エネルギーを使用削減しなければいけないという点を資源の観点からここまで述べてきましたが、実際にそれを進めようとすれば現在の社会経済をどうするのかということを考えていかなければなりません。 特に、「産業をどうするか」というのは大問題です。 こ…

エネルギー使用量半減のための社会改革 5 その他のエネルギー

石油は半減以上に減らすとしても他のエネルギーはそのままというわけには行きません。どのようなものを残していくかという点は重要な事です。 石炭は石油・天然ガスよりは残存量が多いと考えられています。しかし、石炭もその質のばらつきは石油以上に激しく…

エネルギー使用量半減のための社会改革 4 石油をどうするか

前述のとおり、石油は様々な用途に使われておりそれが現代社会を形作っているといえます。 少し前の数字ですが、2005年度の資源エネルギー庁統計によれば、発電部門12%、運輸部門35%、民生部門17%、化学工業原料15%、製造業14%などの比率…

エネルギー使用量半減のための社会改革 3 エネルギー構成

エネルギー使用量を総計で表す場合に原油換算ということもよく行われますが、実際はその内容は様々なものを含んでいます。 資源エネルギー庁の資料によれば、2010年度の供給総量21.1(10の18ジュール)の内訳は、石油が40.0%、石炭が22.6%、天然ガスが19.2…

エネルギー消費量半減のための社会改革 2 実際の数値目標

エネルギー使用量削減の目標としてとりあえず半減としました。 もちろん100年、200年先というスパンで見ていけばそのような程度では足りずに桁違いに削減する必要があるのでしょうが、とにかく削減の方向性を作っていくだけでも始めないことには安定化…

エネルギー消費量半減のための社会改革 1

地球温暖化防止のために化石燃料使用量を削減するとか、原発の危険性回避のために廃止とか、エネルギーに関わる問題は山積していますが、それについての意識が高まっているようです。 しかし、それを実現するための方策として挙げられているものは再生可能エ…

COP21で安倍首相が恥さらし演説

パリで厳戒態勢の中開かれているCOP21の首脳演説で、安倍首相が演説をしたそうです。 まあ、各国首脳もひどい内容の演説ばかりですので、それほど目立たなかったかもしれませんが、(そもそもほとんど日本の演説に興味を持つ人も少ないでしょうが)それにし…

石炭火力発電の輸出規制って何。

OECDで石炭火力発電所の輸出に対する融資を規制するということで合意したそうです。 アメリカなどが(!)なんと二酸化炭素発生量の多い石炭火力発電所の途上国への建設に反対してこのような規制をするということになったそうですが、意図が見え見えです。 …