あまり楽しいニュースが無い昨今ですが、自然の方は着実に時を進めているようです。
3月15日朝10時ころの、当地の桜の花見名所の八代城跡の桜の状況です。
ほとんどの蕾がピンク色となり大きく膨らんでいます。
おそらくあと数日で開花となるでしょう。来週初めには咲きそうです。
花見準備で照明の配線もできているようですし、出店もいくつか建っていました。
あとは天気の具合次第ですがどうなるでしょうか。
自称イタリア人で、日本文化研究家、戯作者というパオロさんが、父と子の関係にまつわる問題をさまざまな方向から取り上げてちょっとひねった文章にしてしまうというもので、40の小話からなっていますが、元々は数篇をいくつかの雑誌に掲載したもので、それを一冊の本にしようということになり、書き足した(足した方がはるかに多いようですが)という成り立ちの作品集です。
あちこちに出てくるのが、一般的なイメージから見るとちょっと盲点になってしまっているような、しかし聞いてみればもっともというような挿話です。
たとえば、
明治時代の大学生のほとんどは英語を自在に使えた。というのも、授業のすべてを外国人が英語で教えていたからである。
団塊の世代は終身雇用制で安泰なサラリーマン生活を送り、現在は十分な年金で悠々自適の生活をしているというのはごく一部の人だけの話。団塊世代の大学進学率はせいぜい2割。その他の中卒・高卒で就職した人々は終身雇用制などは憧れるだけ。女性はほとんど結婚したら辞めることになっていた。実際に終身雇用されたというのもやはり2割程度。
フリーターがここ20年くらいで出現したというのもウソ。かつても日雇いでその日暮らしなんていう人間は掃いて捨てるほど居た。高度成長期は皆正社員で働いていたというのも一部だけのイメージ。
リクルートスーツが黒ばかりというのは、21世紀に入ってからのこと。それまでは紺とグレーが主流だった。
なるほどという思いがします。
”賀茂川耕助のブログ”最新は、1月に開催されたダボス会議について記されていました。
日本からは安倍首相が参加しなかったためにあまり報道されなかったようですが、トランプ大統領、メルケル首相、等々各国の首脳も集まり、また大企業経営者も参加していました。
賀茂川さんも表題にしているように、「排他的」というのは、政府首脳以外の経済人は高額の参加料などが必要だということです。
しかし、格差拡大、富の集中が世界の大きな問題となっているのに、富を手にしている者たちばかりが集まったところで何にも役に立つ話ができないのは当然です。
賀茂川さんもおそらくスーザン・ジョージのこの本は読まれていると思いますが、彼女はダボス会議に集まるような連中を「ダボス階級」とそのものズバリのネーミングで表現していました。
賀茂川さんが記事の最後に書かれている言葉、それが全てです。
世界経済フォーラムが取り組むべきことは、資本主義によってもたらされる富の集中、貧富の格差をなくすこと、そして労働者の地位の向上であろう。それは核兵器の脅威や気候変動などの環境問題を解決するよりはるかに容易なことだと思われるが、ダボス会議でそれらが真剣に議論されることは決してないだろう。
日本でも、経済成長とか景気浮上とか言う前に富の配分、労働者地位向上(はたらき方改革なんていう目くらましでなく)が急がれる時ですが、それを形にできる能力はどの政治家にもありません。
八代城は三代あると前に書きましたが、その中でも最古の古麓城を見てきました。
とはいっても、城跡は標高数百mの山の上ですので、ほとんど下からの遠景のみですが。
まずは大体の分布図から。
地形図でないので山の状態はわかりにくいですが、新幹線の線路はほぼトンネル、九州自動車道西回りの道路あたりが山の端になります。城跡はほぼ山の尾根の先端というところです。
その細かい分布はどうなのか、悟真寺というところにあった案内板が分かりやすかったので写真を撮ってきました。
図自体は分かりやすかったのですが、かなり劣化しており写真は少し不鮮明です。
画面奥の最も高い山がおそらく八峰山という600mくらいの山、右の方が八丁山で400mほどの山で、その中腹の尾根筋にいくつか並んで書いてあるのが7つあった砦です。
名和氏の時代に飯盛城・丸山城・鞍掛城・勝尾城・八丁嶽城が築かれ、これを「古麓の五城」と呼んだ。相良氏の時代に新たに鷹峯城・新城が築かれ、合計七城となった。
いずれも標高200~300m程度の高さで、しかも登山道など整備されているとは言えないところのようですので、今回は上まで登るのは断念しました。
案内板右下に赤い鳥居が見えるのが、古麓稲荷神社という神社の参道で、古麓城跡の下に位置するところです。
写真のような急な石段で登るところです。
これ以上上に行くのは諦めて、山を降り球磨川の堤防の方から振り返ってこの辺の山を眺めてみました。
正面の山の一番高いところが八丁山、手前の山の中腹に見える建物が古麓稲荷神社ですので、その少し上の尾根筋の高いところに砦が並んでいたものと思います。
ちょっと下からの写真だけでは不明瞭なので、Google Earthの俯瞰図を利用して同じ付近の図に城跡の位置を入れてみました。上記の案内板の図から類推したもので、正確な位置ではありません。
(Google Earthより引用して加工)
上記wikipediaによれば、建武元年(1334年)に名和長年の息子の義高が八代荘の地頭に任ぜられ、翌年一族の内河義真が地頭代として着任、この地に城を築いたのが始まりだそうです。
その後、南北朝の争いの舞台ともなり、またその後は人吉の相良氏が進出してここを八代支配の本拠として使いました。
またその後さらに薩摩の島津氏も進出してこの辺一帯で争っていたということです。
写真の山麓に広がる町は古麓というのですが、このあたりにも名和氏や相良氏の遺跡が残っているようです。
今はのどかな風景ですが、かつては多くの将兵が生命を掛けて争っていたのでしょう。
森友問題について、財務省が文書を改ざんしたことを認めたものの、現場官僚の不手際で済まそうとするのかどうか、まだまだ余談を許さない状況のようです。
何のためにそのような文書改竄をする必要があったのか、よく分からない点も残りますが、政権に傷を負わせないための官僚の忖度暴走というところでしょうか。
直接関わった官僚は当然ながら官界追放に値しますが、麻生財務大臣も監督責任は免れません。
それ以上に、安倍首相の責任は妻の名前が散見される部分が改竄箇所に入っているというところからも明らかでしょう。
この問題の当初に、彼は自分や妻が少しでも関わっていたら首相の座どころか議員も辞職すると言明していました。そのとおりにしていただきたいものです。
しかし、このまま首相が政界引退ということになったとしても、「不潔な政治家だったから」で済まされ、「アベノミクスは正しかった」などと勘違いする輩が後を継ごうとしてぞろぞろ出てくる危険性があります。
「安倍が不潔な政治家であったからいけない」のではなく、正しく「アベノミクスが国民の財産を流出させ、国家財政を完全に破綻させるものだから」ということを皆が認識した上での安倍追放でなければ本当の危機回避にはなりません。
アベノミクスはその本質が株価吊り上げと円安誘導だけだったということを総括しなければなりません。
とんでもないジャブジャブ金融統制で金余りに持っていき、それでも足らずにマイナス金利にまでして、そうなれば日本国債も民間保有は無くなり日銀に集中し、さらに年金資金などを大量に(数十兆円規模で)株式投資に回すという危険極まりない方策で株価を吊り上げた。
この実態を見ればこれまでのインサイダー事件や株価操作事件など子どものいたずらに等しいものです。
いずれも、どこかのバランスが崩れて世界同時株安となれば崩落します。
これまで以上に、国家財政が直接大打撃を受けるような状況になっています。
こういったことをしでかした、日本国の国政史上最悪の首相であるから政界追放したということになってもらいたいものです。
非常に古い本で、私が買ったのもおそらく1983年なのですが、この本の初版発行は1966年ということです。実に半世紀前。
著者の大坪さんは経営学部出身ですが、メーカー勤務を経てアメリカ留学という経歴で、技術と経営という問題も早くから取り組んでこられたそうです。
1966年といえば前の東京オリンピックの2年後、まだ高度成長真っ只中と言うところでしょう。
私も子供の頃ですので社会の雰囲気といったものはよくわからない時期ですが、それから12年後の自分の就職時期のことを考えても、「事務は事務屋、技術は技術屋」といった傾向が濃厚だったものと思います。
そのような中で、「これからは技術屋も経営学を身につける」というのは新鮮だったのでしょう。
とはいえ、最近のこういった傾向の本と比べると、専門用語でこけおどしということは全く無く、技術屋(それにしても技術屋、事務屋という言い方も時代を感じさせます)はチームワークを考えて、リーダーシップの大切さを認識してくれといった、分かりやすい書き方がされているので、だれにでも取り組みやすい気分にさせてくれるものかもしれません。
まあ、50年前の本の詳細を紹介しても仕方ないので、書評はこれくらいでこれに関する随想に移ります。
この本を買ったのは1983年というのは、実は私が結婚した年です。
技術職として会社に入り5年、結婚していよいよ責任も感じ、それまでの「物を間違いなく作ってりゃ良いだろう」という仕事ぶりではいかんなあという気持ちからこの本を読んでみようと思ったのでしょうか。
それでも本書の教えなどまったく身につけることもなく、技術屋の悪いところそのままで仕事をしてきてしまったようです。
まあ、その後すぐに転勤で会社の研究所に赴任し、そこではほとんど一人きりの仕事となったために、しばらくはチームワークもリーダーシップも関係なくなってしまったというのは言い訳ですが。
それがその後再び工場に転勤し、現場管理者として放り込まれてもあまり上手く部下を使いこなすということもできず、苦労した遠因となっていました。
後悔ばかりの人生かな。
中国で開催されていた全人代で、これまで2期に制限されていた国家主席任期を無制限とする憲法改正が議決されたそうです。
まあ他所の国のやることですから、どうのこうのと言うこともありませんが、漏れ聞くところによれば、ネットなどでの批判記事の削除も目につくとか。
それ以前から、習近平を表すとされるディズニー関連の投稿も削除とか。
言論弾圧をしなければ持たないような政権の末路は危険極まりないものが予想されます。
暴力的な政治と抵抗に向かわなければ良いのですが。
世界的にも非常に大きな存在となった中国が政権不安定の危険性をはらんでいるということは、世界各国にとっても問題でしょう。
さて、ここまで書いて「2期までと決まっていたのに延長」というのが日本でも起こっていたのに気が付きました。
まあこっちは「終身」ではなく3期ということですから、中国に比べれば少しマシ。
また、一応日本は民主主義政体ですから、自民党が選挙で負けて下野すればいくら自民党総裁であっても政権には関係ないので、さらにもうちょっとはマシかも。
安倍にも3期目は野党党首としてがんばってもらうような状況になることを期待しています。