爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

夢の話「ハーレムの女性」

またなんとも不思議な夢を見てしまいました。

 

自分自身がその女性です。

ハーレムの主の男性はまったく出てきません。

しかし、どうやら自分に男の子供が居て、それが長子のようです。すなわち、嫡子。

 

するとナンバー2の女性が懐妊したというご注進が。

慌てる必要もないのですが内心動揺が隠せません。

 

ディティールの描写がまったく無い夢で、どのような場所なのか、どういった服装をしているのか、家具調度その他、イメージがありません。

ただその状況だけが繰り返し認識されます。

 

なお、ハーレムとは言いましたがそのナンバー2の女性以外は出てきませんので、実際はそのようなものではないのかもしれません。

大奥もちょっと違うか。

 

かつての王侯などの奥というものはこのような感じだったのでしょうか。

そこで家督争いが激しさを増し、毒殺騒ぎが起きたり、子供が突然死をしたり、そういった世界だったのでしょう。

 

今でも、政治家さんの家ではそのような問題も起こっているのでしょうか。

「あやしい健康法」竹内薫、徳永太、藤井かおり著

健康法については様々な俗説が出回っていますが、それらについて有名なサイエンスライターの竹内さんが、医師の徳永さん、ヨガインストラクターの藤井さんとともに、指摘しています。

それぞれの専門分野で健康法を取り上げて評し、それについてあとの2人が寸評を書くといった形式です。

竹内さんは第1章で「目に見えぬ科学と健康」と題し、ミネラルウォーター、アルカリイオン水マイナスイオン等。

徳永さんは第2章で「身近にはびこるマユツバ健康法」で、ブルーベリー、ゲルマニウム温浴、などから漢方薬や整体について。

藤井さんは第3章で「エクササイズと健康」で、部分痩せ、「痩せる」道具、加圧トレーニングからホットヨガや岩盤ヨガなどを取り上げます。

 

全体を見ての感想は、「実に多くの健康法を、”金儲けの手段として” 多くの人々が売り込み、多くの人々が受け入れているもんだ」ということです。

中には自然発生的なものや、学術的なものから派生したものもありますが、ほとんどは「金儲け」絡みと言えます。

科学者(医師を含む)の弱みは「絶対」と言えないことだと思いますが、専門家ができるだけこういった問題について発言することが必要だと思います。

 

それでは、取り上げられている健康法の中からいくつか。

 

ぜったい買ってはいけない浄水器とは

 フィルター、活性炭、逆浸透膜といったものはどれでも装備しており大差はないのですが、少しでも売上を増やそうとして「活性水素水」とか「マイナスイオン水」といった、科学的にはまったく意味のない文句を並べているものはダメです。

 

アルカリイオン水は飲んでも意味なし

 仰々しく宣伝しているものもありますが、結局は「薄い石灰水」と同じ。一般的に身体に害はないが、特別身体に良いかと言われるとそんなことはない。

 

ブルーベリーは目に良いか?

 「物がよく見える」ということがどういうことかということも、現在の科学ではよく分かっていません。それがアントシアニンという物質だけで「改善される」ということは考えにくいことです。

 

発芽玄米は身体に良い?

 発芽玄米がギャバ(GABA)という物質を多く含んでおり、ギャバ神経伝達物質であるということも分かっています。

しかし、それを多く摂取することが健康に効果があるということは言えません。それをあたかも魔法の物質であるかのように断定する宣伝は怪しいというべきでしょう。

 

漢方薬は身体にやさしい?

 漢方薬も薬品であり、飲み方を間違えれば副作用を起こします。小柴胡湯インターフェロンと飲み合わせるとC型肝炎を引き起こすことが知られています。

しかし、長年の使用経験があるものは、副作用の出方も分かっているというのは利点です。

 

部分痩せってできますか?

 はっきり言って、できません。

脂肪吸引手術だけはそれに当たるのかもしれませんが、これはその部分の脂肪を削り取ってしまうのですから、部分痩せなどというものではありません。

痩せるときに一番最初に痩せ始めるのは、たいてい「胸」です。そして最も痩せにくいのは「お腹、背中、太もも、腕の付け根」という、多くの人が「一番痩せたい」部分になっています。

 

こういった「間違った健康法」で商売をしている人があまりにも多数に上ることを思うと暗然としてしまいます。

 

あやしい健康法 (宝島社新書 257)

あやしい健康法 (宝島社新書 257)

 

 

夢の話「微生物の凍結乾燥アンプルを作る」

まだまだ仕事をしている夢は見るようです。

 

「凍結乾燥アンプル」というのは、微生物(細菌とかカビとか)を保存するために凍結乾燥(インスタントコーヒーのような)するもので、さらに保存性を高めるために細いガラスアンプルに入れて真空にして溶封するものです。

 

やっていたのは研究所に居た頃ですから、もう20年以上も前の話ですが、さすがに細部まで詳しく覚えています。

 

夢の中ではどうやら会社に居るのではなく別のところです。

若い人がたくさん居ますから大学の研究室のようなイメージでしょうか。

昔とった杵柄?で微生物の凍結乾燥アンプル製造を頼まれてしまいます。

しかしこちらも数十年ぶりですから、記憶も薄れておりマニュアルを一々確認しながらの作業です。

菌株ナンバーはVから始まる4桁の番号。これをガラスアンプルの中ほどに油性マジックで書いていきます。

 

培養した細菌を支持液という保存性を高める液に懸濁するのですが、その液の配合割合を忘れてしまい、マニュアルの記述をその場になってまた確認し直しです。

牛乳を入れたっけ、卵はどうだったかなと、まるで料理のようです。

(本当はグルタミン酸ナトリウム溶液などを使います)

 

一気に冷やすために冷凍機で冷やしたアセトンなどの溶媒の中に入れてきれいに振りながら固めていくのですが、結構な職人技です。

 

夢の方はこの辺で終わってしまいました。

実際にはそうやって凍らせたものを真空ポンプにつなげたチューブにセットし、一晩真空引きを続けてからガスバーナーで溶かして封をするのですが、そこもきれいにできれば楽しいものでした。

 

「男と女のトラブル相談室」大渕愛子著

テレビ出演も多い弁護士の大渕愛子さんが、特に男女関係のトラブルについて、結婚、離婚、ストーカー、DV、セクハラといった事例と対処法を書いています。

 

活字も大きく言葉も簡単なものを選んでいるようで、あまり活字慣れしていない人にも読んでもらいたいということでしょうか。

 

それにしても、各章の扉のページには愛子さんの写真が載せられているという、ちょっと本人にとってもおそらく相当恥ずかしい作りの本になっています。

まあ、内容は至極まっとうなようですが。

 

結婚問題のゴタゴタにはやはり若い男性の意識の変化というものが大きいようです。

私らのような老人世代では「男は妻を養うのが当然」といった感覚が普通だったと思いますが、相当変わってきているようで、それが結婚観の変化にもつながります。

問題は、多様化も進んできているということで、それが相手がどういった意識かということの誤解にもつながり、行き違いが生まれるようです。

 

ストーカーの問題もかなり多いようですが、弁護士として乗り出すと相手はまったく自覚が無いということもあるようです。

これも、どこまでが普通かという認識が違っているのでしょう。

一日に2-3通のメールを送り続けただけで相手からストーカー呼ばわりされてびっくりしたという人も居るようです。

 

セクハラ・パワハラ問題はひどいことになっているところもあるようですが、一方ではこの程度は大丈夫と思っていても受け取る側が過敏になりすぎてちょっとしたことでも問題化させることもあるようです。

 

なお、離婚問題については弁護士によってはすぐに証拠を揃えて離婚成立としてしまう人もいるようですが、大渕さんはできるだけコミュニケーションを復活させて話し合い重視ということを心がけているようです。

それで思い直して離婚は防げることもあるとか。

 

なかなか訴訟社会にはならない日本ですが、弁護士というもの少しは見直してみたほうが良いかもしれません。

 

 

 

「古文書はいかに歴史を描くのか」白水智著

著者は歴史学の中でも各地に残る古文書をフィールドワークで探し出し解析し各地域の歴史を新たに再発見していくという研究方法を取っている歴史学者です。

 

この本では各地の旧家の蔵から古文書を発見してきた実話や、その詳細な方法、また記録のまとめ方など研究の進め方の詳細も解説しながら、身近なところからの歴史の見方というものを読者に示しているようです。

 

とはいえ、現代では刻一刻と古文書は失われているとも言えるほどです。

旧家であっても改築したり、後継者が居なくなってしまったり、また各地で頻発する地震などの災害で家自体が壊れてしまったりして、建物を解体する際には古文書のようなものは廃棄されてしまうこともしばしば起きてしまいます。

 

著者が実際に体験した例では、石川県の奥能登で気にかかっていた旧家にようやくツテをたどって紹介してもらい、古文書などが残っていないかを尋ねたら「昨日ゴミに出しました」と言う答えを貰ったということもあったそうです。

 

また、文書として保存されているものの他に「廃棄史料」と言われる、所有者が廃棄したけれど残っているものもあります。

かつては紙という資源は貴重なものであり、古紙もすぐには捨てずに再利用したものでした。

文書として不要になったものでも、襖の下張りや壁の補修、変わったところでは裃や袴の補強材として使われているものがあり、それを取り出すことで元々の記載内容が蘇ることもあるそうです。

 

著者の長年のフィールドワークの実際についても語られています。

各地の旧家には江戸時代には政治の末端組織として残されていた文書なども多数保存されていることが多いのですが、それを組織的に調査したということはほとんど無いようです。

地元の教育委員会などが調査することもありますが、予算などの負担が大きいこともあり未調査のまま残されているものがほとんどです。

そういったものを調査しようというのですが、所蔵者からすればどこの誰とも分からない者が突然「調査させてください」といって現れるので、なかなか信用してくれなかったそうです。

 

出てきた史料の整理方法も語られていますが、所蔵者がきちんと整理してあったわけでもなく、時代が離れているものが一緒くたということもあるようです。

それでもまずは現状をきちんと記録しておくことが必要なようで、あとになって判ることもあります。

目録というものを作っていくことも重要になりますが、その内容は一つの史料が一つの内容に限られるわけでもなく、はじめから整理方法をよく考えておく必要があります。

 

山梨県早川町の旧家から発見された文書の断片から歴史的な事実が明らかになった例が示されています。

その家は江戸期以前から材木の切り出しと出荷をやっていたそうですが、部分的に名前と材木の送り先だけが記された手紙のようでした。

その単語を調べるとどうやら徳川家康が関係しているようです。

さらに、年代も文禄元年であることが確定しました。

しかし、そうするとおかしな点が出てきます。

その時には家康は駿府から江戸に移封された時であり、甲斐の領地も取り上げられて秀吉子飼いの加藤氏に与えられていました。

秀吉の家康警戒は厳しく、城の建築などは警戒されていたはずでした。

それでもかつての領主の家康に材木納入ができたのかどうか、この手紙の断片からこのようなサスペンスとミステリーが浮かび上がってきたのでした。

 

古文書の解読、非常に興味深いものでした。しかし、あの崩し字を読むのは難しそうです。

 

古文書はいかに歴史を描くのか フィールドワークがつなぐ過去と未来 (NHKブックス)

古文書はいかに歴史を描くのか フィールドワークがつなぐ過去と未来 (NHKブックス)

 

 

交通事故対策 自分を目立たせることが重要

よく拝見している方のブログで、「目立つ色の車にした」と言う記事をみて考えさせられました。

 

私の息子も最近自動車を購入したのですが、目立つ色ということでシルバーにしたそうです。

 

しかし、どうも「目立つ」ということを意識している人はあまり多くないのではないかと思ってしまいます。

 

あまり自己主張の強くないのが日本人と言われていますが、特に夕暮れから夜間の道路上ではとにかく「目立つ」ことが事故を引き起こす確率も下げることにつながり、自分の身だけでなく周囲の通行者の安全も守ることになります。

 

したがって、少し暗くなったら早めの点灯というのも当然のことですし、散歩をしている歩行者でも意識の高い人はライトを持って歩いているようです。

 

また、自動車の色や歩行者の服装の色も見えやすさには大きく影響を与えるのも当然です。

やはり暗色は夜道では見えにくいというのは間違いないでしょう。

歩行者でも真っ黒の服装で歩いている人に出くわしてドキッとすることがよくあります。

 

このところ、どうもそれが関係するのではと考えているのが「暗色系の自動車に乗るドライバーはライトを点灯するのも遅い」のではないかということです。

先日も、薄暗くなりかけた夕暮れの道で自転車で走っていて、まったくの無灯火の車に危うくぶつかりかけましたが、それも黒の車でした。

 

冒頭にも紹介しましたが、やはりそもそも「自分を目立たせる」という意識の高い人はそもそも車を購入する際に明るい色の車を選ぶ傾向が高いのではないかと思います。

そうなると、黒や暗色系の車に乗る人間は「そうではない」可能性が強いのではないでしょうか。

それなら、夕暮れ時にかなり周囲が暗くなってもいつまでも点灯しないのもそういった連中であると言えるのかもしれません。

 

昨日、夜になって自転車で出かけることがあったのですが、途中の歩道で高校生くらいの若者が自転車で、無灯火でしかも高速で疾走しているのとすれ違いました。

非常に危ないと思ったのですが、なんとその後ろから仲間らしいのが2台、それも全部無灯火でつながって走ってきたのには驚きました。

あのスピードでは車だけでなく歩行者や他の自転車にぶつかっても大きな被害が出るでしょう。

自分が被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もきちんと考えなければならないところです。

 

今の自動車を中心とする交通社会には大きな欠点があるのは間違いないことですが、とりあえずしばらくはこの社会で動かざるを得ません。少しの注意で事故の危険性を減らせるのならそれを為すべきでしょう。

「朝鮮王朝”儀軌” 百年の流転」NHK取材班編著

2010年に当時の菅総理大臣が韓国に日本にある「朝鮮王朝儀軌」を引き渡すと突然のように発表したことは社会に驚きをもって迎えられました。

それがどういうものかという認識もほとんどの人が持っていなかったはずです。

 

実はそれは韓国国内でも同様の状況だったようです。

1866年にフランスが江華島から奪い去った儀軌がフランス国立図書館にあることが分かり、韓国でようやく返還を求める運動が起きたですが、それに伴って調査をしていて、日本にもそれが存在することがようやく知られるようになりました。

もともと、朝鮮王朝内の資料として作られたものであり公表もされていなかったので一般には知られているものではなかったようです。

 

「儀軌」とは、朝鮮王朝時代に王朝内でのさまざまな儀礼を豊富な絵を添えて記録してきたものです。

そういった儀礼にはめったに実施されないものもあり、その細かい知識が失われないように極彩色の絵でビジュアルに記録することで、次回の実施の参考にするというのが目的だったようです。

 

それが日本に渡り宮内庁に保管されていました。

そこには、日韓併合に伴い朝鮮王朝を廃止し、王族は日本の皇族に準じるものとして待遇したという状況が関わってきます。

朝鮮半島の民衆の反抗を抑えるために、旧朝鮮王朝の王族を優遇することで民衆をなだめようとする意図があり、日本の皇族扱いとすることはできないものの、貴族よりは少し上という、「王公族」という形で処遇します。

また、最後の皇太子・李垠には皇族から梨本宮方子を結婚させます。

さらに、最後の国王の高宗が亡くなった際は国葬を営むと礼遇したつもりだったのですが、高宗の国葬では日本式の葬儀を行なったためにかえって朝鮮の民衆の怨みがつのり、結局は大規模な反乱の三・一運動を引き起こしてしまいます。

 

これらの朝鮮式の儀式を知るためというのが「儀軌」を入手し日本に送った理由だったようです。

すでに朝鮮総督府が管理し整理していた儀軌を宮内庁に送ることで手続きは完了しました。

 

フランスが韓国新幹線建設にフランス国鉄TGVの技術導入を働きかけるためにフランス保有の朝鮮王朝儀軌の「長期貸与」を持ちかけたのに触発されたのか、日本も宮内庁保有の儀軌を韓国に引き渡すことを決めます。

スッタモンダがあったようですが、引き渡すこととなりました。

 

日韓関係だけでなく、世界各地に昔の帝国主義時代に持ち去られた文化財などの返還要求運動が起きており、大きな問題となっています。

 

日本には朝鮮半島から持ち去られた(ただし、売られたものも多数あるのが複雑)文化財が多数存在します。

しかし、問題となるのは1965年に日韓基本条約です。

ここでは、日本が韓国に経済協力資金を提供する一方、植民地支配の賠償などの請求権の問題、文化財返還の問題などもすべて「永久かつ最終的に解決」したということにされました。

日韓交渉は、財産および請求権問題、漁業権、在日韓国人の法的地位、など多岐に渡っていたのですが、このうち最重要視されたのが「請求権」もっとも等閑視されたのが「文化財問題」だったそうです。

当時、最貧国レベルの経済状態だった韓国にとってはまず経済面だったのは仕方のないことですが、そこで妥結を急いだためにこのような文化財問題が残ってしまいました。

 

朝鮮王朝「儀軌」 百年の流転

朝鮮王朝「儀軌」 百年の流転

 

 最後の部分の、日韓条約締結に関する部分は、慰安婦や徴用補償問題と共通のことでした。

いくら「国際法上は解決」といってもこのままでは済まないだろうということでしょう。